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物価高を懸念、消費滞る 街角の景況感に陰り

街角の景況感が陰りを見せている。内閣府が11日発表した10月の統計で、景況感を示す指数は2カ月ぶりに、消費者心理の指数は3カ月続けて前月を下回った。食品などの値上がりで消費者の負担感が増し、消費が滞って企業の景況感も曇った。内閣府は消費者心理の判断を「弱含んでいる」に下方修正した。

2012年12月に第2次安倍内閣が発足してから、円安・株高や政策への期待から街角の景況感や消費者心理は持ち直してきた。しかし、10月の指数はいずれも政権発足時の12年12月を下回る水準に逆戻りした。

両統計の調査時点は街角の景況感が10月25~31日、消費者心理が同15日だった。日銀による同31日の追加金融緩和の影響はほとんど反映していないとみられる。

「消費増税や円安、物価高、天候不順など複合的なリスク要因が個人消費を低迷させている」(北海道の家具製造業)。企業で働く人など全国の約2000人に聞いてまとめる景気ウオッチャー調査で、10月は増税とそれに伴う物価高を懸念する声が目立った。

この調査で、3カ月前と比べて景気が良くなっているかどうか聞いてまとめる現状判断指数は44.0と、前月に比べて3.4ポイント下がった。内訳を見ると小売りや飲食に関連する指数の低下が大きく、消費の停滞がうかがえる。

自動車や家電など増税前の駆け込み消費が大きかった商品は「少しずつ動きだしている」(東北の乗用車販売店)。ただ、反動減が和らいだところで「消費増税の重みを実感してきたという声を聞く」(東海の百貨店)ようになった。増税から半年がたち、増税直後には分かりにくかった消費の停滞が見えやすくなってきた。

2~3カ月先の景気に対する先行き判断指数も46.6と前月より2.1ポイント下がり、5カ月続けて前月を下回った。現状、先行きともに横ばいを示す50を下回っている。

消費者心理も曇ってきている。10月の消費動向調査によると、暮らし向きなどについて半年後に良くなるかどうか聞いてまとめる消費者態度指数(一般世帯、季節調整値)は38.9と、前月より1.0ポイント下がった。増税があった4月に落ち込んだ指数は5月から7月まで改善したが、8月からは3カ月続けて前月割れ。5月(39.3)を下回る水準に逆戻りした。

指数を算出するもととなる「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目はすべて2カ月続けて前月を下回った。内閣府は消費者心理の判断を3カ月続けて下方修正し、「弱含んでいる」とした。

消費者心理の壁も身近な商品の値上がりだ。昨年からの円安で輸入する原材料が値上がりし、スーパーの店頭では加工食品の値上げが相次ぐ。これから1年後の物価は一般世帯のうち87.5%が「上昇する」と回答。賃金の伸びが物価に追いつかなければ、消費者心理はなかなか上向かない。

今回の結果は日銀が10月末に公表した追加の金融緩和とその後の円安・株高などは織り込んでいない。曇った景況感が底入れするかどうかは、景気回復の勢いを大きく左右しそうだ。

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