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関電、通期赤字も 販売電力量の減少止まらず

関西電力が29日発表した2014年4~9月期の連結純損益は26億円の黒字だった。夏の気温が上がらず、火力発電用の燃料費が思ったよりかさまなかったためだ。原子力発電所の再稼働が見通せないなか、15年3月期まで黒字を確保できる材料は乏しい。販売電力量は4年前より1割超減った。16年の電力小売り全面自由化を控え、競争力を高める対策も必要だ。

売上高は前年同期比4%増の1兆6776億円だった。昨春の電気料金の引き上げ効果のほか、燃料費の上昇分を料金に転嫁したことが効いた。経常損益は94%減の18億円の黒字。連結の自己資本比率は総資産が1.4%減ったことなどで0.2ポイントと少し上昇し、15.5%だった。

八木誠社長は29日の記者会見で「単体の損益は赤字(41億円)だ。依然として厳しい経営環境が続いている」と指摘。通期では4期連続の最終赤字になる可能性に踏み込んだ。

関電にとって痛いのは、本業である電気の販売量自体が減っていることだ。4~9月期の販売電力量は家庭向けと企業向けの合計で668億キロワット時と4.8%減った。東日本大震災前の10年4~9月期と比べると100億キロワット時(13%)も落ち込んだ。15年3月期は1370億キロワット時と前期比2.4%減りそうだ。

震災以降に定着した節電効果もあるが、低料金で攻勢をかける新電力への流出も響く。00年以降の流出件数は9872件(10月1日時点)。出力ベースだと原発2基分にあたる239万キロワットに達した。関電は収支改善へ再値上げの検討を進めているが、実際に再値上げに踏み切ればさらに価格差が広がり、顧客離れが一層進みかねない。

八木社長は「(全面自由化になれば)通信と電気のセット販売など、いろいろ展開できる」と主張する。料金体系を増やしてサービスを拡充し、価格面での劣勢を挽回したいとの思いがにじむ。原発が動かないと収益基盤がほころぶ構造は変わらず、引き続き綱渡りの経営を余儀なくされそうだ。

運転から40年を超える美浜1、2号機(福井県)を廃炉にするかどうかは「できるだけ早く方針を示したい」と語った。廃炉にした場合の費用計上を軽くできるよう、制度改正を政府に求めた。

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