「神田」地名復活、千代田区長が議案 三崎町と猿楽町

2014/9/18 6:00
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東京都千代田区の三崎町と猿楽町(さるがくちょう)で、町名の冒頭から1度は消えた「神田」の名前が復活しそうだ。同区の石川雅己区長が17日、両町の町名を変更する議案を区議会に提出した。住居表示法による町名変更で「神田」の名前を取りやめた地域は他にもあり、旧地名復活の動きが広がる可能性もある。

「神田三崎町」と記されている町名由来板

千代田区は地方自治法に基づいて2町の町名だけを変更する方針で、混乱を最小限に抑えるため区域や番地などは変えない。施行日は2018年1月1日とし猶予期間を設ける。区議会の議決を経て10月中旬にも正式に決定する。可決されれば神田三崎町と神田猿楽町がよみがえる。

石川区長は「(神田という名称は)地域のアイデンティティーであり心のよりどころ」と指摘。「地域の思いをくみ神田冠称を実施することを決断した」と話した。

神田猿楽町町会の鎌倉勤会長は「自分たちの町に誇りをもってもらういい機会」と指摘する。渋谷区猿楽町との混同も避けられ「認知度が高まって祭りや商店の集客につながる」と期待をかける。復活すれば49年ぶりになる。

地元住民は手放しで歓迎する「神田」復活だが、不動産関係者の間では議論が分かれる。マウンテンケイズプランニングの松岡周治会長は「三崎町といって分かってくれる人は少ない。神田と付けばどの辺か分かりやすく、不動産価格にはプラス」とするが、下町のイメージが強い神田が付くことで不動産価格が下がるとの見方もある。

企業にとっては所在地の知名度アップが期待できる半面、名刺や看板を作りかえるコストが発生することになり、得失を判断するのは難しそうだ。

現在の千代田区の北半分に相当する旧神田区は1947年、当時の麹町区と統合するのに伴い、区内のすべての町名に神田をつけた。その後、1962年の住居表示法の施行を受け、郵便物の配達などの便を図るための地名の簡素化が進んだ。

ところが「神田っ子」と呼ばれる旧神田区住民は「神田」の名称に愛着が強く、「神田神保町」のように取りやめを拒否する例も多かった。受け入れた町にも不満が残り、03年の江戸開府400年を契機に神田の名の復活を求める声が強まっていた。

今後は岩本町など、現在は神田の名を冠していない他の町でも復活を求める声があがる可能性がある。

石川区長は「こちらから働きかけはしないが、住民が一体となった要望があれば慎重に検討する」と説明している。

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