都、英米並み10%台の開業率目標に 10年間のビジョン中間報告

2014/9/13付
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東京都は12日、向こう10年間の都政運営の指針となる長期ビジョン(仮称)の中間報告を発表した。起業支援で開業率を英米並みの10%台とし、特別養護老人ホームの定員を3~5割増の5万5千~6万人分とするなどの数値目標も明示した。今後は財源の確保が大きな課題となりそうだ。

「世界一の都市・東京」を目指すべき将来像として掲げた。2020年五輪の成功と、大会後まで見据えた持続的発展を基本目標に設定し、インフラや環境、福祉などの分野を中心に約230の政策目標を並べた。舛添要一知事は同日の定例記者会見で「(五輪)大会成功は一里塚にすぎない。持続的発展を遂げられるように(少子高齢化などの)課題解決の道筋を描く」と強調した。

19年度にBRT

20年五輪に向けては交通網の拡充やバリアフリー化、公共空間の多言語化などに取り組む。例えば都立・公社の全14病院で多言語体制を整え、外国人が安心して診療を受けられるようにする。

選手村や競技場が集積する臨海部と都心を結ぶBRT(バス高速輸送システム)は19年度に導入と明記した。6月に開業した虎ノ門ヒルズをはじめ大規模な再開発が進む虎ノ門地区で大会開催時までに東京メトロ日比谷線の新駅を設置することも盛り込んだ。

五輪後までにらんだ都市づくりは、少子高齢化への対応を柱の一つに据える。保育の分野では株式会社の参入支援や公有地の活用促進などで保育サービスの利用児童数を17年度末までに4万人増やし、待機児童の解消につなげる。シンボル事業として都庁舎内にも16年度に保育施設を開く。

25年には都民の4人に1人が65歳以上になるとの推計を基に、多様なニーズに応じた施設整備を加速する。特別養護老人ホームの定員は25年度末に5万5千~6万人分と、13年度末から3~5割ほど増やす。認知症高齢者グループホームは2倍以上の2万~2万3千人分に拡大。サービス付き高齢者住宅は4割増の2万戸以上とする。

施設整備の土地を確保するため、都営住宅を建て替えて高層化することで今後10年間に30ヘクタールの用地を生み出す。

女性有業率75%

経済活性化に関しては創業支援や女性の就業促進を掲げた。12年時点で5%に満たない開業率を24年に英国や米国と同等の10%台に、同じく71.3%の女性有業率は75%に引き上げる。

都は今回の中間報告について26日まで都民の意見や要望を募集。12月に最終報告をまとめ、当初3カ年の実施計画を予算の裏付けとともに示す。

舛添知事は長期ビジョンの数値は「無理な目標ではなく現実的」と説明するが、高齢者の増加で福祉経費が年300億円のペースで膨張するなど、都の財政は厳しくなるとみられる。今後はメリハリをつけた効率的な予算編成も必要になる。

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