2019年8月21日(水)

高齢者医療の拠出、最大の3.2兆円 13年度健保組合決算

2014/9/12付
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大企業の会社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。健康保険組合連合会が11日発表した2013年度の決算は、全体の3分の2が赤字となった。高齢者医療を支えるため拠出するお金が、過去最大の3兆2千億円まで増えていることが要因だ。企業や会社員が支払う保険料の率は平均8.674%となり、14年度もさらに上がる。保険料負担が重くなれば、回復がもたつく個人消費にも影響が出かねない。

全1419組合のうち13年度決算で経常赤字の健保組合の数は927で、全体の65%を占める。保険料収入から、健保加入者の医療費や、高齢者医療向けの拠出金など支出を引いた赤字額は、1162億円だった。12年度に比べると赤字の組合数や額は減ったが、全体の約4割の565組合が保険料率を引き上げ、収支を合わせたのが実態だ。

財政悪化の一番の要因は、高齢者の公的医療保険制度への拠出金だ。政府は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度を08年度につくったが、その医療費の約4割は、現役世代からの「仕送り」で賄う仕組みだ。健保組合は支援金を拠出しなければならず、08年度以降に財政が大きく悪化した。

65~74歳の前期高齢者への納付金も健保組合が出している。後期と前期を合わせた高齢者医療への拠出総額は、前年度比1400億円増え、3兆2739億円となった。

赤字の組合は、積立金を取り崩して穴埋めするか、保険料率を引き上げるかで対応する。健保組合の中には、中小企業の全国健康保険協会(協会けんぽ)の10%より料率が高い組合が198と1割強ある。9%台は3割強に上る。

高齢者医療への拠出金は今後も膨らむ。健保連の予算ベースの推計では、14年度は3兆3155億円と1年で400億円も増える。これに伴い平均保険料率も8.861%に上昇する見込みだ。

「団塊の世代が65歳以上になり、負担が相当な勢いで増える」(健保連の白川修二副会長)。総務省によれば65歳以上人口は25年には13年時点から500万人近く多い3657万人に増え、75歳以上に限ると600万人強もの伸びになる。経団連の阿部泰久常務理事は「高齢者医療制度のあり方の見直しが必要だ」と訴え、医療費の伸びを抑えるための効率化が不可欠だと指摘する。

一方政府は、高齢化で増える医療費を消費増税だけでなく、保険料負担をさらに増やすことで対応しようとしている。厚生労働省は15年度から加入者の所得が高い企業の健保ほど、負担を重くする法改正を検討し年末までのとりまとめを目指すが、企業側は反発し調整は難航が避けられない。

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