2018年12月13日(木)

長野の新県立大学、具体像作り急ぐ 他大学へ説明行脚終了

2014/9/9付
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県立大学の新設構想を巡り、同大理事長に就任予定の安藤国威・ソニー元社長は8日、長野県庁で私立松本大学の住吉広行学長と会談し、構想への理解を求めた。新県立大首脳による県内大学関係者への説明行脚はこれで終わり、県は履修科目や教授選考など具体像作りを急ぐ。学生の獲得競争が激しくなることへの懸念は強く、作業は不満を残したまま始まる。

8日の会談には、新県立大の学長に就任する予定の金田一真澄・慶応大学名誉教授も出席した。約30分にわたる会談は非公開だったが、安藤氏は会談後、記者団に「(松本大と)お互いに連携を深めてウィンウィンの関係をつくりたい」と語り、和やかな雰囲気だったことを強調した。

金田一氏も「松本大は地域貢献で成果を出している。教えを請いたい」と、良好な関係を築きたい考えを示した。

松本大は、新県立大が設置を決めている管理栄養士課程を持つ県内唯一の大学だ。新県立大構想に対する反発は強い。

この日の会談でも管理栄養士課程については議論が平行線をたどったもようだ。住吉学長は会談後、「今までの反対の経緯について申し上げた。今の基本構想を認めることは絶対にない」と言明した。「今後話し合いはできるが、決裂もあるかもしれない」とも述べた。

安藤、金田一両氏は松本大に先立ち、2日から長野大学、清泉女学院大学、諏訪東京理科大学、信州大学の4大学関係者と相次ぎ会談し、理解を呼びかけてきた。ただ、松本大以外の大学も、新県立大とすみ分けができるかどうか疑問に思っているもようだ。新県立大ができれば、学生獲得競争が激しくなることを警戒している。

県はこうした微妙な情勢の下、2018年の開学に備え、カリキュラムの作成や教員の選考を急ぐ。カリキュラムでは、国際人材の育成を重視した科目を導入し、全寮制を採用する方針だ。こうした点を前面に出して他の大学と差をつける一方、履修科目の詳細な設定などは他大との間で「すみ分け」のための調整を探るとみられる。

安藤氏は今後の作業について8日の会談後「松本大が心配する点について明確に説明していきたい」などと述べ、時間をかけて理解を求める方針だ。

金田一氏も「松本大の住吉学長の考えを何とか変えていきたい」と話し、管理栄養士課程の設置や学部の配置など基本線は変更することなく開学を目指す姿勢を示した。

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