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ネスレ、コーヒーマシン無償で50万件 20年までに3倍

ネスレ日本は独自開発のコーヒーマシンを活用してコーヒー需要を開拓する。企業向けのマシン無償貸し出しで運輸業界や高齢者施設などへの設置を始め、顧客数を2020年までに現在の3倍の50万件に増やす。マシンを使った簡易カフェも2倍以上の4千店にする。コーヒー粉の供給で収益を上げる。多様なルートで消費者との接点を増やし、即席コーヒーの販売増を目指す。

27日の事業戦略説明会で明らかにした。同社はコーヒー豆の微粉末が入った新製法の即席コーヒー「レギュラーソリュブル」の表記を巡り、消費者がレギュラーコーヒーと誤解する恐れがあるとして業界団体が認めなかったため、業界4団体からの脱退を始めた。高岡浩三社長は「消費者は混乱しておらず客観的な根拠に欠ける決断だ」と批判、同製品を軸にした事業展開を推し進める考えを改めて示した。

国内で1年に消費されるコーヒーの杯数は500億杯とされるが、同社のシェアは家庭向けが37%なのに対しオフィス向けを含む家庭外は3%にとどまる。一杯だけコーヒーを作れる独自開発のコーヒーマシンを使い、家庭外での需要を掘り起こす。

マシンを無償で貸し出す「ネスカフェアンバサダー」で、オフィス以外の用途を開拓する。中堅運輸会社の富士運輸(奈良市)と連携し、長距離トラックの車内にマシンを設置、ドライバーの需要を取り込む。100台への設置を目指す。

神戸市と連携し、高齢者が集まってコーヒーを楽しみながら交流する「介護予防カフェ」の取り組みも始めた。公民館や個人宅などにマシンを設置し、同市内100カ所での展開を目指す。

「ネスカフェアンバサダー」は一杯あたり20円程度で飲め、ネスレは定期的に届けるコーヒーの粉で収益を上げる。12年秋にサービスを始め既に14万件の顧客があるが、病院や大学、消防署などにも設置し20年までに50万件に引き上げる。

マシンをスーパーなどの空きスペースに置き、小さな簡易カフェを開く「カフェ・イン・ショップ」にも力をいれる。アンバサダーと同様にマシンは無償で貸し出し、コーヒー粉販売で稼ぐ。運営はスーパーに任せ、1杯100円~200円程度のケースが多い。ドラッグストアや銀行、図書館などにも設置を進める。現在は1700カ所以上で展開しているが、20年に4千店を目指す。

同社が展開するカフェ店「カフェ ネスカフェ」ではサテライト店を増やす。チェーン店ではないカフェやレストランで使うコーヒーをネスレのコーヒーに切り替え、店舗にも「ネスカフェ」の看板を掲げてもらう。取り組みを始めて1年ほどだが既に200店が加盟、20年に10倍の2千店に増やす予定だ。

コンビニコーヒーのヒットなどで拡大傾向にある国内のレギュラーコーヒー市場に対し、インスタントコーヒー市場は微減傾向にある。全日本コーヒー協会によると13年のインスタントコーヒー生産量は03年比約3%減の9万2518トンだった。背景には「カフェの普及やコンビニコーヒーの登場など、家庭外での飲用シーンが増えている」(大手コーヒーメーカー幹部)ことがある。

ネスレ日本のマシン貸し出しサービスは、オフィスなどでの缶コーヒー需要を奪う可能性がある。簡易カフェも低価格の喫茶店と顧客層が重なっており、コンビニコーヒーを交えたコーヒー市場の顧客争奪戦が一段と激しくなりそうだ。

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