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医療費40兆円に迫る 13年度2.2%増

厚生労働省は26日、2013年度の概算の医療費が前年度比2.2%増の39兆3千億円になったと発表した。介護費用を含む保健医療費を見ると、国内総生産(GDP)の1割を超し先進国の平均を上回る。西日本の1人当たり医療費が東日本を上回る「西高東低」の解消など課題が山積みになっている。

概算医療費は、1年間に使った医療費の合計である国民医療費の約98%に当たる。11年連続の増加で過去最高を更新した。

膨張の主因は高齢化だ。75歳以上の1人あたり医療費は92万7千円。74歳以下の4.5倍近くになる。75歳以上の人口は13年で1560万人で10年前の約1.5倍に増えており医療費増が止まらない。

技術の高度化も影響している。医療費の単価にあたる1日あたり医療費は1万5213円で、前年度比3.1%増えた。抗がん剤などの新薬、新型の医療機器や手術が増え、医療費の膨張につながっている。

日本医師会は「日本の医療費総額は必ずしも大きくない」と主張してきた。だが、介護も含む保健医療支出で見ると、日本はGDP比で10.3%となり初めて1割を超えた。OECDの平均値や英国(いずれも9.3%)を上回り、ドイツやフランスに迫る規模だ。

日本の高齢化は世界最速で進んでいる。団塊の世代の高齢化で75歳以上の人口は25年に2179万人まで増える見込み。医療費の膨張が経済成長を上回るペースで進む公算が大きい。

政府は給付に見合う負担を求めるために消費増税に踏み出した。だが増税で税収が増えることもあって、医療費の無駄を抑制する機運は乏しくなっている。

例えば、安い後発医薬品の普及が遅れている。欧米では6割以上が後発薬だが日本では4割程度にとどまる。混合診療の仕組みを活用し、高額な医療を保険適用の対象から外すといった抜本策の検討も視野に入ってくる。

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