土砂災害、全国に危険52万カ所

2014/8/27付
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山地が国土の約6割を占める日本では、土砂災害が繰り返し発生している。国土交通省によると、地形や土壌などから土砂崩れや土石流が起きる恐れが強い「土砂災害危険箇所」は全国で52万5307カ所。戦後の急激な都市開発で山裾にまで住宅地が広がるなか、専門家は「自分が住んでいる場所の危険性を認識しておく必要がある」と指摘している。

広島市北部の土砂災害は花こう岩が風化した「まさ土」と呼ばれるもろい土壌が原因の一つになったとみられる。

鹿児島大の下川悦郎特任教授(砂防工学)によると、まさ土は中国地方を中心に全国に分布。このほか火山灰に由来する「シラス」「ボラ」などと呼ばれる土壌も雨で崩れやすく、全国の火山周辺に広がっている。

農林水産省によると、まさ土、シラス、ボラなどの「特殊土壌地帯」は全国で約5万8千平方キロメートル、国土全体の約15.2%に上っている。

広島市安佐南区など今回大規模な被害が出た地域は1960年代以降の造成で宅地が増えた。現地の写真を見た信州大の大塚勉教授(地質学)は「土砂が流れる河川の幅が非常に狭く、行き場を失った土石流が多くの家屋を巻き込んだ可能性が高い。造成時に宅地スペースの確保を優先した結果ではないか」と推測する。

こうした山裾の新しい住宅地は広島市に限らず、全国の都市の周縁部などに多く見られる。

関西大の河田恵昭教授(防災工学)は「高度経済成長期に地価が安い山裾で開発が進み、危険性を認識しないまま住む人が増えた」と指摘。「新たな住宅建築の制限や建物の構造の規制が求められる」と話す。

勾配が30度以上の崖付近、谷から広がる扇状地は土砂災害の危険が高いとされ、過去に繰り返し土砂崩れや土石流が発生している場所もある。

「防災情報機構NPO法人」(東京・千代田)の伊藤和明会長は「時間の経過で災害が忘れられると、また危険な場所に住む人が出てくる。行政は過去の災害に関する情報を周知する必要がある」と話している。

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