2018年8月22日(水)

九大、次世代型燃料電池の実証実験 企業連携で開発加速

2014/8/20付
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 水素をエネルギーとして使いこなす「水素社会」を目指す動きが福岡県内で活発になってきた。九州大学は19日、高効率の次世代型燃料電池の実用化に向けた大規模実証実験を始めると発表。燃料電池が施設や地域のエネルギー需給の中核となる将来を想定し、使い勝手や耐久性などを調べる。企業とも連携して製品開発を加速し、燃料電池の普及拡大につなげる。

 九大は「固体酸化物型燃料電池」(SOFC)と呼ぶ次世代型燃料電池を、水の電気分解装置や太陽光発電パネルと組み合わせて設置。太陽光で生み出した電気が余れば電気分解で水素を作って蓄え、必要に応じて燃料電池で発電する仕組みを実証する。

 天候による変動の大きい再生可能エネルギーを安定して使えるようになる。水素は燃料電池車(FCV)にも供給し、水素社会のモデルを学内に作る。

 セ氏700~1000度の高温で稼働するSOFCの内部を分析できる先端機器も導入。部品の劣化原因を調べ、耐久性の高い材料の開発につなげる。

 SOFCは出力1キロワット級の家庭用は実用化しているが、5キロワット級の業務用や250キロワット級の産業用では耐久性などの問題から試作段階という。九大では特にこうした大型機について、国が2017年と定めた市場投入目標を見据えて開発を加速する。実証用の設備は今年度内に順次導入する。

 大型SOFCが実用化すれば、再生可能エネと組み合わせて、送電網に影響を与えないエネルギーの「地産地消」も容易になる。高温稼働の廃熱を空調に生かしたり、ガスタービンや蒸気タービンと併用して火力発電の効率を引き上げたりすることもできる。

 九大の実証拠点にはTOTOや京セラ、西部ガス、アイシン精機など燃料電池関連16社が入居している。共同研究として実証を進め、製品開発に生かしてもらう方針だ。

 実証は福岡県と福岡市、北九州市が設定する「グリーンアジア国際戦略総合特区」の事業として、国の総合特区推進調整費から今年度に17億5千万円の助成を受ける。

 

福岡県・地元経済団体、FCV普及促進へ組織設立

 福岡県や地元の経済団体が19日、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の普及を進める官民連携組織「ふくおかFCVクラブ」を設立した。タクシー事業者向け助成や公用車への率先導入でFCVの先進地域を目指す。福岡市内で開いた立ち上げイベントであいさつした九州経済連合会の麻生泰会長は「他地域に先駆けて普及を図る。世界の環境対策が進む技術を発信する」と述べた。

 麻生会長と小川洋福岡県知事が代表に就いた。県内全域で試乗会を開いたり、社用車としての購入を企業に働きかけたりする。車に水素を供給する水素ステーションの整備も促す。県内の企業や大学を会員として募る。

 小川知事は「水素関連産業は裾野が広い」と指摘。「北部九州をFCVの開発生産拠点としても発展させたい」との考えを示した。

 FCVはトヨタ自動車が今年度内に発売予定でホンダも来年の市販を目指している。この初期段階での市場立ち上げを官民連携で後押しする。

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