食器洗い乾燥機で火災53件 08~13年度、長期使用で部品劣化
食器洗い乾燥機の発煙・発熱事故が2008~13年度に91件あり、うち火災が53件起きていたことが17日、独立行政法人製品評価技術基盤機構(東京)への取材で分かった。部品の経年劣化などが原因だが、リコール対象製品でも火災が起きており、同機構は「長期間使っている機器は点検を徹底してほしい」と注意を呼び掛けている。
同機構は、家電メーカーなどから自社製品で事故が起きた場合、報告を受けている。08~13年度の食洗機に関する報告は計91件あり、うち火災が53件だったほか、発煙、異臭、異常発熱による食洗機や食器の変形などがあった。
大阪府で12年8月、食洗機から出火、周辺を焼損した。同機構の調査で、ドア開閉部の破損でリード線が切れ発火したのが原因と判明した。食洗機は13年間使用、ドア部分が経年劣化していた。
12年3月には東京都で食洗機の内部が燃える火災が発生。内部にはネズミの排せつ物が大量にあり、漏電遮断器がショートして火災につながったとみられる。
鹿児島県では12年9月、食洗機のスイッチを入れて外出、帰宅すると火災が起きていた。水漏れのためヒーターが異常過熱していた。製造時に部品の取り付けに不具合があった製品で、メーカーは03年に不具合を公表、無償での点検修理を呼び掛けていた。
火災に至らなかったケースでも、内部にいたゴキブリが原因でショートし食器乾燥機から爆発音が発生(奈良県)▽運転中の食洗機から発煙し階下まで水漏れ(和歌山県)――などがあった。機構による調査の結果、一部の火災については、原因が「製品からの発火ではない」とされたものもあった。
同機構の担当者は「水を大量に使う製品なので基板などに浸水してショート、発火する例が多い。ちょっとした不具合でもメーカーに相談してほしい」と話している。〔共同〕