2019年7月18日(木)

手賀沼で保管の廃棄物、千葉県が発生自治体に引き取り要請へ

2014/8/5付
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千葉県は4日、手賀沼下水処理場(我孫子市、印西市)に一時保管している放射性物質を含む指定廃棄物について、保管期限の2014年度末以降は発生元の各自治体に引き取りを求める方針を明らかにした。指定廃棄物を最終的に受け入れる処分場の立地選定が難航し搬入のメドが立たない中、同処理場が立地する自治体や住民への配慮から期間の延長はしない。

同日、県は、指定廃棄物の発生自治体である松戸市、柏市、流山市、手賀沼下水処理場が立地する我孫子市、印西市のそれぞれの代表者を集めた会合を柏市で開催した。

その中で県は、(1)一時保管期限である14年度末までに指定廃棄物を手賀沼下水処理場から搬出すること(2)搬出先は、国が選定作業を進める最終処分場を基本とするが、14年度末までに決まらない場合は各市で一時保管をする準備を進めておくこと――を提案した。

指定廃棄物を搬出する費用や新しい一時保管場所の整備コストなどは柏市など各自治体の負担とし、県は直接的な財政支援はせず「国に対し財政支援を求めていく」(千葉県環境生活部の中島輝夫部長)。「年度内に国主導の最終処分場が完成し、そこに運び込むのが理想」(中島部長)としているが「国に早期整備を求めていくが現時点では未定で何とも言えない」(同)という。

今後、各市は提案内容を持ち帰り対応を詰める。各自治体は手賀沼に預けている分とは別に、ゴミ焼却施設などでも一時保管しており、中には「今時点でこれ以上の受け入れ能力はない」(柏市)とする自治体もある。今後、保管場所の確保などが求められるが「住民の中に『県は一時保管の延長ができないの』という気持ちが生まれる」(同)と懸念する声もでており、調整が難航する可能性もある。

東日本大震災後、特に指定廃棄物が多かった柏市や松戸市などは県に対し、指定廃棄物を一時的に保管するよう要望。14年度末を期限として、手賀沼下水処理場で一時保管することで合意した。県は12年末から一時保管を始め、現在、敷地内に整備した仮設倉庫9棟で526トン(6月末時点、3市全体では2584トン)の指定廃棄物を保管している。

ただ、手賀沼下水処理場が立地する我孫子市や印西市では、住民が指定廃棄物の搬入に対し反対運動を起こすなど混乱した経緯もあり、4日の会合で我孫子市の代表者は「14年度末までに是非搬出してほしい」と強調した。

国はこのほど、栃木県内の指定廃棄物を運び込む最終処分場の候補地を塩谷町に決めたが、千葉県での候補地選びの作業は続いている。14年度末までとしていた一時保管期限は、最終処分場の完成が前提だっただけに、候補地選定作業の遅れが今後新しい混乱を招く恐れもある。

指定廃棄物は、東京電力福島第1原子力発電所事故で高濃度の放射性物質に汚染されたごみの焼却灰や下水汚泥のうち、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル超の廃棄物を指す。千葉県内には6月末時点で3663トン存在し、関東では栃木県に次いで多い。

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