都内の待機児童は8672人、過去最多に 4月
東京都は31日、保育所に入れない都内の待機児童数(4月1日時点)が前年比555人増の8672人になったと発表した。2年連続の増加で、過去最多だった2010年の8435人を上回った。都は「女性の社会進出を背景に、人口の流入で就学前の児童が増えたことなどが背景にある」(保育支援課)と分析している。
市区町村別に待機児童が最も多いのは世田谷区(1109人)で、大田区、板橋区などが続いた。昨年、全国で最多となった世田谷区は225人増加。今年4月1日に予定していた認可保育所の開園を建設業界の職人不足を背景とした入札不調で延期した影響も出たという。多摩地域では調布市や小金井市で増加した。
一方、杉並区が169人減少したほか、港区や江東区でも100人以上減った。年齢別に見た待機児童数では、0歳児が前年比514人増の2151人と伸びが目立った。0~2歳児は全体の約9割を占めた。
保育サービスの利用児童数は過去最多の23万4911人となり、前年から1万1577人増加した。増加数が1万人を超えるのは3年連続となる。各自治体が保育所の定員を増やし、総数は増えている。
ただ、「施設が整備されれば子どもを預けたい」という人が増加。定員を増やしても追いつかず、待機児童が増えている面があるようだ。共働き世帯の割合は07年度に46.1%だったのが12年度には53.8%に高まっている。