沖縄科技大、創薬向け解析サービスの大学発VB
沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)は、初の同大発ベンチャーを設立した。電子顕微鏡と独自の解析プログラムを組み合わせ、タンパク質の構造を3D(3次元)で可視化するサービスを手掛ける。既存技術に比べ、解析期間の短縮などが見込めるという。創薬過程での利用を想定し、製薬企業などから事業を請け負う。
沖縄プロテイントモグラフィー(沖縄PT、うるま市、亀井朗社長)を6月25日付で設立した。同社はOISTのウルフ・スコグランド教授を技術顧問に迎え、同教授の技術や研究設備を活用する。今後、サービス内容や価格を詰めるという。
OISTによると同教授の可視化技術は、タンパク質解析において重要な「結晶化」という手順を不要としたのが最大の特徴。結晶化が難しいタンパク質でも解析できるようになるほか、解析期間も従来の数カ月から数週間程度に短縮できるという。
すでに複数の製薬会社と組んで解析作業に入っており、今後はOISTと沖縄PTが共同でサービスを売り込んでいく計画だ。同社には沖縄の新産業育成を目指す「おきなわ新産業創出ファンド」が1千万円を出資しており、今後も追加増資を受け入れる。新規株式公開(IPO)も目指す。
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