知恵絞る「丑の日」 ウナギ、稚魚減って…

2014/7/29付
保存
共有
印刷
その他

ウナギ店がにぎわう土用の丑(うし)の日の29日。稚魚であるシラスウナギが減少するなか、関係者は昔ながらのスタミナ食を守ろうと努力を続けている。最近は卵からの完全養殖の技術確立も夢ではなくなってきた。一方、意外な食材を使った"かば焼き風"もお目見え。ウナギを取り巻く環境も徐々に変化しつつある。

水産庁によると、シラスウナギの今期(昨年11~今年5月)の国内採取量と輸入量の合計は25.7トンで昨期(12.6トン)の約2倍となった。

同庁の担当者は「長期的な減少傾向に変わりはない」と指摘。研究者の中には今期の稚魚の好漁は海水温の変化によるもので、「回復は一時的」との見方もある。百貨店やスーパーなど小売店での国産ウナギの価格はほぼ前年並みで、ぜいたくな味であることに変わりはないようだ。

一筋の光明が、難しいとされてきた完全養殖の成功だ。

独立行政法人、水産総合研究センター(横浜市)は2010年、ウナギの受精卵をふ化させて成魚にし、再び産卵させて稚魚を得ることに成功した。研究主幹の内田和男さん(58)は「ウナギは生態に不明な点が多く、幼生の餌や水槽を清潔に保つ方法などで試行錯誤を重ねた」と話す。

水産庁は同センターや企業と連携し、今年4月からシラスウナギを大量生産するための技術確立に向けた研究を始めた。同庁は20年までの商業化を目指すという。

小売価格の高騰で、様々な"代替品"も登場した。ナマズやアナゴ、ハモなどが主流だったが、魚以外の新顔にも注目が集まる。

群馬県太田市の食堂「かわとみ」は、6年前から提供し始めたナスの蒲焼き重(900円)が看板メニュー。焼きナスの表面に甘辛いタレを塗り、高温のガスバーナーであぶり香ばしさを出す。うな重そっくりの外見が評判に。

店長の川田富勇さん(66)は「北海道や九州からもお客さんが来てくれる」といい、「丑の日はうな重ではなく『うなす重』を食べてほしい」と笑う。

金沢市の食品開発会社「日本海藻食品研究所」は、会長の白石良蔵さん(68)がおからと魚のすり身を使用した「ウナギのかば焼きもどき」を6年かけて開発し、2年前から販売している。

同社が特許技術を持つ海藻のペーストを使用し、皮の食感にまでこだわった。現在は関西の一部のスーパーで500円程度で販売されており、「小骨がないので子供にも人気」という。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]