長岡枝豆「一寸法師」 全国区狙い品質に磨き
信越巡って発見(長岡市)

2017/9/28 7:00
保存
共有
印刷
その他

新潟県長岡市の農家や自治体、流通大手のイオンが連携し地元産の枝豆「一寸法師」のブランド力向上へ取り組んでいる。一寸法師は9月下旬から10日間ほどしか収穫できない枝豆で、サヤの長さが一寸(約3センチ)と小ぶりなことから名付けられた。生産量や作付面積は2年間で3倍に拡大している。

2017年度産の一寸法師が初収穫された21日、JA越後ながおかの農産物直売所で試食会が開かれた。集まったのはイオンリテールの青果担当者ら約30人。ゆで枝豆や炊き込みご飯を試食した商品マーケティング部の担当者は「日照不足を心配していたが、香りや甘みが強い」と手応えを感じていた。

その後、生産者らが磯田達伸市長を表敬訪問。市長は「ブランド力の向上へしっかり手伝いたい」と語った。

一寸法師はJA越後ながおか枝豆生産部会に所属する農家だけが生産している。15年度に8人だった生産者は、17年度に20人に増えた。

同部会や長岡市、イオンリテールなどが15年9月に「越後ながおか一寸法師えだまめ協議会」を設立し、生産拡大や知名度向上に取り組んできた。同部会の部会長で、一寸法師を生産するナカムラ農産(長岡市)の中村文和社長は「販売ルートが確保されたことが生産拡大につながっている」と話す。

イオンリテールは地域の食文化を保存・継承する「フードアルチザン(食の匠=たくみ)」活動の一環として一寸法師の販売に力を入れている。

今年は昨年より6店多い新潟・埼玉県の計36店で販売している。実の数が少なかったり、変色したりして正規品として販売できない枝豆をすりつぶし、大豆やおはぎにした加工食品4品の販売を新たに始める。まず10月に新潟県内の店舗で発売、18年春に全国で販売する計画だ。

一寸法師の生産者のほとんどがコシヒカリも栽培している。収穫時期がコシヒカリと重なることが、これまで一寸法師の増産の壁になっていた。

このためJA越後ながおかは、枝からサヤをもいだり、選別したりする業務を請け負うセンターを整備した。農家が早朝に一寸法師を収穫しセンターに持ち込めば、午前中からコシヒカリを収穫できる。三浦藤昭・JA越後ながおか代表理事理事長は「コメ一辺倒では厳しい時代。農家の収益拡大へ枝豆などコメ以外の農産物にも力を入れる必要がある」と強調する。

新潟県の枝豆の作付面積は約1600ヘクタールで全国1位。一寸法師は急拡大しているとはいえ、わずか4ヘクタールだ。長岡市の枝豆全体の作付面積に占める割合を見ても、約1割しかない。生産部会の中村部会長は「種の厳格な管理を続け、品質を保持しながら生産量をさらに増やしていきたい」と話している。(北尾厚)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]