2018年8月17日(金)

基準地価 上昇地点が増加 四国、訪日客増で商業地改善目立つ
住宅地の値上がり郊外にも波及

2017/9/20 6:00
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 四国4県が19日発表した2017年の基準地価(7月1日時点)は、住宅地や商業地を含む全用途平均の下落率が4県全てで前年より縮小した。人口減少が進み全体での下落は続くが、中心市街地や郊外の利便性の高い地域では上昇地点が増加。これまで一部地域にとどまっていた値上がりが広がりつつある。

 インバウンド(訪日外国人)需要の拡大を背景とした商業地の改善が目立った。高松市は商業地5地点が上昇。前年は上昇地点はなかった。市全体でも横ばいとなり26年ぶりに下落が解消。オフィスビルが並ぶ中央通り沿線にあり、中心商店街にも面する磨屋町で4.7%上昇した。

 観光客の増加でホテル需要が根強いうえ、賃料収入を見込んだ取引も活発化。中心部から南に5キロメートルほど離れた区画整理地区でも商業店舗が充実し値上がりした。

 松山市の商業地で上昇した大街道地区は松山城を観光したり、路面電車に乗って道後温泉との間を行き来したりするのに便利で人通りも多い。観光客の増加に伴いホテル数が増えている。同市が歩道の拡幅工事を進めてきた、伊予鉄道・松山市駅に近い花園町通りの周辺でも分譲マンションやホテルの建設を想定し、まとまった用地を求める動きがあるという。

 徳島県の商業地では、徳島市中心部などで下落から横ばいに転じた地点が目立った。値上がりした徳島駅前の一番町付近はホテルの開業や改装が相次いだ。人の流れが戻り飲食店などの開業も活発になっている。北島町でも上昇地点があり、4県では唯一、県庁所在市以外で改善した。

 高知県は上昇地点はなかった。高知市で横ばい地点が増加、下落率1%未満が4地点から11地点に増えるなど下げ止まり傾向はみられた。市内中心部でもスーパーが商店街から撤退した地区などは下落幅が大きかった。

 住宅地をみると、市街地の利便性の高い地域や郊外の新興住宅地などで上昇。一部地域のここ数年の上昇の波が、周辺地域にも広がっている。

 徳島県では徳島市や、大型ショッピングセンターが立地し生活利便性の高い藍住町、北島町などで前年に続き上昇地点があったほか、同市西側に隣接する石井町でも上昇がみられた。高松市内でも高級住宅地の番町に加え、郊外の新田町や林町などでも上昇した。

 一方、人口減が深刻な山間部や離島の大半で2%以上の下落が続いた。南海トラフ地震の津波被害が懸念される高知県では下落率の高い上位10地点のうち8地点が津波の浸水予想地域に入っている。徳島、愛媛県でも沿岸部では3~7%値下がりした地域もみられた。

■不動産鑑定士はこうみる

【香川】外国人観光客の増加で高松市中心部でホテル需要を見込んだ動きがみられる(岩井競平氏)

【愛媛】松山市の大街道商店街北口周辺で飲食店が入居するビルへの投資が活発(大西泰祐氏)

【徳島】価格下落が続いたため値ごろ感が出てきて、一時期に比べ取引が増えている(富永守氏)

【高知】観光客やクルーズ船の乗客増加を背景に(高知市中心部の)ひろめ市場周辺で空室率が改善(原田春芽氏)

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