2017年11月21日(火)

広島の食 世界に広げる お好み焼アカデミー代表理事 佐々木茂喜さん(語る ひと・まち・産業)
若手店主束ね 発信力向上

2017/9/13 12:00
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 ■佐々木茂喜さん(58)はソースメーカーのトップとして広島のお好み焼き文化に一家言を持つ。3年前に地元のお好み焼き店主などとお好み焼アカデミー(広島市)を設立。自ら代表理事を務める。

 ささき・しげき 1959年広島市生まれ。82年広島修道大商卒、オタフクソース入社。2005~15年社長。09年からオタフクホールディングス社長。14年、お好み焼きの店主などとお好み焼アカデミーを設立し代表理事に。

 ささき・しげき 1959年広島市生まれ。82年広島修道大商卒、オタフクソース入社。2005~15年社長。09年からオタフクホールディングス社長。14年、お好み焼きの店主などとお好み焼アカデミーを設立し代表理事に。

 「広島市内で生まれ、育った私は子どもの頃から就職してからも土曜日の昼になると、県内に多く残る自宅の軒先を改造して開店したおばちゃんの店に行き、カープの話題で盛り上がったり、待ち時間に漫画を読んだりしていた。お好み焼きは戦後復興の象徴となり、こうした店は食べる場であるとともにコミュニケーションを楽しむ場として広島の名物になった」

 「国内外から訪れる人たちに広島のお好み焼きを食べてもらうだけでは観光資源として生かし切れておらず、もったいない。一企業としてお好み焼きのルーツを学び、作り方を体験できる施設を設けて情報発信してきたが、限界がある。そこで店主らが集まる機会として組織化を提案した」

 「広島のお好み焼きの店をリードしてきた御三家とされるみっちゃん、八昌、麗ちゃんの創業者が高齢化し、次世代の若手経営者がどのように継承していくのか、少し不安もあった」

 「アカデミーのおもてなし部会では、30~40代の若手経営者が積極的に行動してくれている。8月1~6日にはお好み焼きにマヨネーズでPEACEの文字を描き、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で世界に発信するイベントも開いた」

 ■広島を訪れる外国人は順調に増えている。こうしたインバウンドの観光客にお好み焼きを食べてもらい、帰国後も楽しんでもらえるよう世界的な普及に力を注ぐ。

広島県内のご当地のお好み焼きの普及にも取り組む(あいさつをする佐々木氏)

広島県内のご当地のお好み焼きの普及にも取り組む(あいさつをする佐々木氏)

 「東京、大阪、京都。それだけでは飽き足らない外国人が広島を訪れ、お好み焼きを食べに来る。ところが、注文の仕方がわからず、店主と顔を見合わせて言葉に詰まってしまう。これではいけない。そこで指を差すだけで注文ができる日英併記のコミュニケーションシートをつくった」

 「2020年の東京五輪で世界中の人が集まる。イスラム教徒にも食べてもらおうと鶏肉とハラル認証を受けたソースでつくるお好み焼きの試作をしている」

 「日本の和食が広がっているが、小麦粉、キャベツ、豚肉、卵に鉄板とソースがあればお好み焼きはどこでもできる。パリやロンドンに続き世界でお好み焼き店を開こうとしているアカデミー会員も出てきた」

 ■ソースと共に広島のお好み焼きの味を担うのがキャベツ。お好み焼きに合うキャベツの地産地消へ産地と二人三脚の取り組みも。

 「キャベツは夏なら群馬県の嬬恋村など高地でとれたものを使う。広島県の庄原市高野町は標高600メートル弱。広島県の農地でお好み焼き用のキャベツを手広く生産することができれば、一大産地になる」

 「種まで遡ってお好み焼きに適したキャベツを開発できれば、食べに来た客にもストーリーを語ることができる。生産から加工、流通、消費まで広島県内で6次産業化が図れる。四季ごとに異なるキャベツを開発し、一年中、県産キャベツでおいしいお好み焼きが作れる環境を目指している」

■解説本や作り方体験教室

《一言メモ》 お好み焼アカデミーはお好み焼きの歴史や広島と関西の違い、材料や作り方、栄養バランスなどをまとめた「広島お好み焼完全マスター本」を出版。ひっくり返し方や温度調節など、おいしく作る方法を分かりやすく説明している。

 オタフクソース(広島市)の「WoodEggお好み焼館」(同)では、広島のお好み焼きをより深く知り、お好み焼きづくりを体験できる。同社の社員の実演をみてまねをしながら作って食べられる。平日に小学生から参加できるホットプレートの教室(料金は700円)があり、小学5年生以上なら鉄板での本格的な体験(同1000円)も。見学や体験の申し込みには同館への電話予約が必要だ。

(広島支局 後藤健)

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