教育無償化、期待と注文 人生100年時代構想会議

2017/9/12 0:59
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 11日に初会合が開かれた「人生100年時代構想会議」の論点のひとつは、大学授業料の後払いを含む高等教育の負担軽減だ。関係者からは支援拡大に期待が広がる一方、金銭面にとどまらず生活や学習など幅広いサポートの必要性を指摘する声もあがった。

 「大きな借金を背負わずに大学に行けるならうれしい」。さいたま市在住の高校3年の男子生徒は、無償化の議論を歓迎する。同市が設置する生活保護世帯など向けの学習支援教室に通い、将来は福祉の仕事を目指す。「進学は夢の実現に必要。奨学金とバイトで頑張る」という。

 教室に通っている中学3年生の男子生徒は工業系の高校に進む予定。「国が支援してくれるなら大学で工学など自動車関連の研究をしてみたい」と夢を膨らます。

 教室の運営を市から受託するさいたまユースサポートネット(同市)の青砥恭代表(68)は「若い人たちの将来に国が投資をするというメッセージになる」と評価しつつ「経済的に困難な家庭の子供は学力や意欲の面でハンディを負っている。学習支援など進学の前段階でのさらなる支援が必要」と注文を付ける。

 大学関係者にも期待が広がる。東海地方の私立大関係者は「優秀な学生が経済的理由で中退するのも見てきた。多様な学生を大学に確保する上でも意義はある」と話す。

 この日の多くの民間議員が会議の席上、学ぶ機会の拡充を求めた。

 民間議員最年少で起業家の三上洋一郎氏(19)は事業に集中するため高校を中退し、2年後に大学に入学した経歴を持つ。給付型奨学金の重要性に言及し「一人ひとり努力することが、自己実現につながるような制度設計が大事だ」と指摘。自身の経験も踏まえ「若者が自由にキャリア選択できる制度を作ろう」と訴えた。

 民間議員の鎌田薫・早稲田大総長(69)は「必要な時に必要なことを学べる大学にしないといけない。思い切った支援の前提として、教育の質の向上は不可欠だ」と、大学側の改革の必要性を指摘した。

 同会議の議論について、格差論が専門の白波瀬佐和子・東京大教授は「政府として次世代の育成に目を向けるのは良いことだ。非正規雇用も増えるなか、若者も高齢者と同様に社会の支え合いの対象にしていく必要がある」と話す。

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