AIG新CEO「AIで保険料下げ」

2017/9/6 0:30
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【ニューヨーク=平野麻理子、山下晃】米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の最高経営責任者(CEO)に5月就任したブライアン・デュパロウ氏は、日本経済新聞のインタビューに応じた。業績回復に向けIT(情報技術)を積極的に活用。人工知能(AI)やビッグデータ分析を駆使して業務を効率化し、「保険料を下げていく」と語った。

――ITの活用を業績回復の突破口と位置づけています。どう採り入れていきますか。

「私にとってインステック(保険版フィンテック)とは、以前は手に入らなかったビッグデータと新たな分析ツールを使うこと。保険を買う人たちが完全にデジタルの決断に従うとは思えないが、リスクの査定にAIを使うなど、効率化に役立つ技術はたくさんある」

「まず提携先でAIを駆使するヘッジファンドのツーシグマが持つアルゴリズム(解析プログラム)の技術を、中小企業向け保険などに生かしたい」

――保険料の引き下げに結びつきますか。

「そうすべきだ。今は個人情報の開示の同意さえあれば、名前と住所を聞いただけで、保険に入れるか、保険料をいくらにするかを決めるのに十分な情報が手に入る。加入時に質問する必要のない保険商品すらある。そうして、できる限り全ての業務をシンプルにして、コスト削減につなげる取り組みを進めている」

――保険会社は今の時代に合わせてどう変わっていくと考えますか。

「データ分析とアルゴリズムを使いこなすスキルが求められるようになる。テクノロジーを駆使して、顧客自身も気付いていないリスクを発見し、提案できるような態勢ができればAIGは再び偉大な保険会社になる」

「世界的な低金利が続く中、高いリスクが伴う投資では利益が出ない。保険自体で利益を出すしかない。基礎的な仕事が大切になる」

――保険会社がグーグルやアマゾンと競合する日が来るでしょうか。

「ないとは言えないが、保険に取り組むなら、大半の企業が遠ざけたがるリスクを、長期間持ち続ける準備が必要だ。その覚悟がなければ、このビジネスでは戦えない」

――日本の保険市場をどう見ていますか。

「日本は世界で2番目の保険市場だ。生命保険を除く損害保険だけでも世界3位で、重要であることに変わりはない。AIGの日本でのビジネスは世界中で手掛ける事業の映し鏡。様々なことを試していきたい」

――AIG傘下のAIU損害保険と富士火災海上保険が経営統合して18年1月に「AIG損害保険」が発足します。

「日本で『AIG』を名乗って損保ビジネスを手掛けるのは初めて。世界で培ったノウハウを生かし、価格が安くて良い商品を出していきたい」

Brian Duperreault 米セントジョセフ大卒。1973年にAIG入社。日本駐在経験があり、「日本はふるさと」と語る。94年にAIGを退社。その後ACE損保(現チャブ)など、複数の競合保険会社でCEOを務め、2013年にハミルトン保険を創業した。17年5月から現職。

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