2019年4月20日(土)

税制改革 小粒に 18年度改正要望そろう

2017/8/31 0:53
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2018年度の税制改正要望が30日、出そろった。企業の生産性の向上や働き方改革といった政府の看板政策に絡むものが目立つ。ここ数年の中心テーマだった所得税改革は鳴りを潜め、税制の全体像を点検する作業は停滞している。小粒な改正になりそうで、中長期の経済成長を確かにするにはおぼつかない。

財務省と総務省は31日に要望の受け付けを締め切り、査定に入る。年末にかけて政府・与党内で要望の可否を調整する。

税率引き下げが一段落した法人税は、企業に特定の取り組みを促す税制要望が多い。経済産業省は就職後に必要な技術を学び直す「リカレント教育」について延長・拡充を求めた。社員教育への費用を前年度より多くかければ法人税が減税される仕組み。賃上げの循環づくりと並んで社員向け投資を促す狙いだ。

自社株を活用したM&A(合併・買収)も促す。自社株と引き換えに事業買収した場合、譲渡益や譲渡所得に対して税金がかかる。経産省は企業が株式で保有している間は税金をかけないよう財務省に要望した。不採算事業の切り離しなどが活発になれば、企業の競争力が高まると見る。

内閣府は地方都市に拠点を移転した場合に法人減税などの優遇を受けられる仕組みの条件を和らげるよう求めた。実現すれば、東京23区内の企業が関西や中部地方に移転した際に優遇が受けられるようになる。

政府が掲げる働き方改革に絡む要望も多い。厚生労働省は事業所内保育所の設置を促すため、企業に対して施設や遊具などの割り増し償却措置を認めるよう求めた。こうした取り組みに積極的だと認められた企業には追加の優遇措置を設ける。

外国人観光客を引き寄せる策として、観光庁は消費税の免税手続きを簡素にする策を求めた。消耗品とそれ以外の物品を一度に申請できるようにする。外国人の事務手続きが軽くなり、来日のリピーターを増やす効果を期待している。

国土交通省は空き家の取得時にかかる登録免許税と不動産取得税の軽減を要望した。

新税の構想は複数登場した。観光庁は国内の観光整備のため訪日客から徴収する「出国税」を検討する。ビジネス客や日本人観光客も対象にするのかどうかなど課題も多い。住民税に上乗せする森林環境税の創設も農林水産省が要望した。徴税対象と金額などについて議論が進む見通し。負担増には抵抗も強く実現のハードルは高い。

安倍政権は消費税率の10%への引き上げを19年10月に予定する。18年中に引き上げを最終判断する見通しで、来年度改正では本格的な議論には入らない公算が大きい。専業主婦世帯を優遇する配偶者控除の廃止論が頓挫した所得税改革も今年は様子見の雰囲気が強い。

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