2019年1月24日(木)

大学定員増抑制に23区反発

2017/8/30 7:00
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東京23区内で私立大学・短大の定員増を原則として認めない政府方針を巡り、反発や戸惑いの声が広がっている。23区長でつくる特別区長会は29日、定員増抑制に反対し、学部などの新増設を引き続き認めるよう求める要望書を政府に提出した。若者の東京一極集中の是正を目指す政府と、大学誘致を街のにぎわい創出の核にしたい23区の隔たりは大きい。

文部科学省が8月中旬にまとめた大学設置に関する告示改正案では、2018年度は23区で大学・短大の定員増を原則認めず、19年度は学部・学科の新増設も原則認めない方針を明記した。ただ、一定の期限までに施設整備を決めたり、計画を公表したりした場合は容認する例外措置も設けた。9月12日まで意見公募(パブリックコメント)を行った上で正式に決める。

特別区長会は29日、梶山弘志地方創生相と林芳正文科相に要望書を提出した。定員増抑制に対して「国の将来を担う若年層の進路選択の機会を狭め、交流を通じた多様化の機会を奪う」と反発。大学誘致が街づくりの前提になっているケースも多く、すでに計画・調整中の案件には特段の配慮を求めた。

23区では大学の新キャンパス構想が相次ぎ浮上している。桜美林大学は19年4月にも新宿区の百人町に新キャンパスを設置。東洋大学は今年4月に開設した赤羽台キャンパス(北区)を増強し、21年4月に朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)からライフデザイン学部などを移す方針だ。

江戸川区は区立小学校跡地を有効活用するため、青森大学を運営する青森山田学園などと協議中。千葉大学が新拠点開設の構想を表明した墨田区では、千葉大の予定地に隣接する区立学校跡地を候補に他の複数大学の誘致を目指す。

こうした区にとっては「告示改正案の例外措置はどこまで認められるのか」「20年度以降はどうなるのか」などが関心事だ。「23区で定員増を抑えるだけで地方創生につながるのか」(北区企画課)、「地方大学との連携も一律に駄目なのか」(江戸川区企画課)といった困惑の声も上がる。

23区の定員増抑制は学生の東京集中を抑えようと全国知事会が訴え、政府のまち・ひと・しごと創生会議が方針を示した。東京都の小池百合子知事は「大学の問題と東京一極集中は全く次元が異なる」と反論する。問題の背景には都市と地方の対立構造があり、妥協点を見いだしにくいのが実情だ。

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