成長GU 急ブレーキ 今期、営業減益見通し
品ぞろえ2倍、再起へ

2017/8/25 0:00
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ファーストリテイリング傘下の低価格衣料品店「ジーユー(GU)」が失速している。昨期まで2年連続で30%超の増収と絶好調だったが、今期は営業減益に陥る見通し。品ぞろえを2倍に増やして中規模のヒットを数多くつくる戦略にかじを切る。設立から10年の節目で失速したGUは再び成長軌道へと戻り、ユニクロとの「二枚看板」になれるのか。

「一本足打法からの脱却を目指す」と話す柚木治社長(東京・港)

「一本足打法からの脱却を目指す」と話す柚木治社長(東京・港)

「一本足打法に限界が来ている」。24日、東京本部(港区)での事業説明会。GUの柚木治社長は悔しそうな顔を見せた。

「ユニクロ」でもカバーしきれないより低価格な層を取り込み、成長のけん引役として2006年に誕生した「GU」。16年8月期までの4年間で売上高を3倍強、営業利益では4倍強まで引き上げ、急成長してきた。

その象徴が15年にヒットした「ガウチョパンツ」だ。「ガウチョ」を連呼するCMで消費者の頭に印象を残し、試験販売してみて売れ行きがよければ一気に増産して市場を席巻、流行を先導した。16年のスカートのように見えるパンツ「スカンツ」も同様の手法を駆使し売り上げを伸ばした。勝利の方程式を確立したかにみえた。

しかし、その方程式は長くは続かなかった。インスタグラムなどの普及で個人間の情報のやりとりが増え、テレビCMの影響力が低下。大衆向けに画一的な情報を大量投入すれば「消費者が踊るという時代は終わった」(柚木氏)。消費者の好みは多様化し、ひとつの商品が業績全体を引き上げるような一点突破での「大ホームラン」は狙いにくくなった。

今後は「二塁打をいっぱい打って、そこから機動的な生産でホームランにしていく」(柚木氏)。従来3つ程度に絞ってきた注力商品を増やしてヒットの芽の間口を広げる。流行が変われば期中にも企画を起こして即生産する。GUが描く再起の姿だ。

変わる商品を消費者に実感してもらう場所も設ける。9月に従来より3割強広い店を横浜市にオープンする。通常の2倍の商品群を配置し、10倍強のマネキン200体を使い、単品でなく感性に訴えるファッション性を強く打ち出す。強化するネット通販と合わせて消費者との接点を増やす。

「『散弾銃』ではないか」。当初、ファストリの柳井正会長兼社長は柚木氏の新戦略を手厳しくこう批判した。「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」やり方を嫌う柳井氏にとって、新しいGUの戦略は受け入れがたかった。柚木氏は「(しっかりトレンドをつかんだ)ライフルで10発20発と撃っていく」と返して納得させ、自ら退路を断った。

大きな期待を背負って始めた「GU」10歳の年は「ダメダメの年」(柚木氏)だった。「海外のユニクロ」「ネット通販」と並んで、ファストリグループ全体の成長戦略に組み込まれた今、停滞は許されない。

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