概算要求の総額、4年連続100兆円超へ

2017/8/23 1:32
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国の財政運営が一段と窮屈になってきた。月末に締め切る2018年度予算の概算要求の総額は、4年連続で100兆円を超える見通しだ。社会保障費の増加が響く。一方、財務省は国債の元利払い費のもとになる想定金利を下げ、要求段階で国債費を2年連続で減額する。ただ、この抑制分を歳出増に回そうという圧力も強まりそうだ。

財務省は月末に、概算要求を締め切る。各省庁が要望を提出し、18年度予算の査定作業に入る。

要求額が最大になりそうなのは厚生労働省で、医療や介護といった社会保障費は30兆円を超える。高齢化の影響で「自然増」と呼ばれる医療費や介護費などの伸びは6300億円に達する。

政府は1300億円程度の歳出削減を進める方針だが、5000億円程度は歳出が増える見通しだ。北朝鮮問題などを背景に、防衛費などでも歳出増の要求が相次いでいる。

農林水産省は22日、概算要求に盛り込む重点事項をまとめた。国家戦略特区で就労が認められた農業の専門技術を持つ外国人を、円滑に受け入れる体制づくりを支援する。深刻な人手不足を解消する狙いという。

農家の収入減少を穴埋めする「収入保険」の創設に向けた必要経費も盛り込む。保険料や積立金の一部に国費を投じ、農家の負担を軽くする。

大枠合意した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に関する対策予算は11月をメドにまとめる方針で、夏の概算要求段階では金額は示さない。こうした要求は「事項要求」と呼ばれ、年末の予算編成過程で圧力が増しやすい。

そもそも財務省は、要求段階での歳出に上限を設けていない。ただ来年に消費増税の判断や財政健全化計画の検証の時期を控える。18年度予算編成で財政再建への姿勢を示せるかが今後の財政運営を占う試金石になる。

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