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高知・梼原町「ジビエグルメの町」発信 全国初、専用車で解体

高知県梼原町は、野生のシカやイノシシの狩猟肉(ジビエ)を生かした地域活性化に取り組む。全国で初めて移動式のジビエ解体処理車(ジビエカー)を今月導入した。来年3月には町内に処理施設が稼働する予定。年間400~500頭を食肉に加工し出荷する。農作物への鳥獣被害を減らしながら、ジビエグルメの町をアピールする。

導入したジビエカーは、長野トヨタ自動車(長野市)と日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)が共同開発した。2トントラックを改装し、高圧洗浄装置や解体・冷蔵用の部屋などを備える。解体で出た内臓のほか汚水も現場に残さないなど、環境にも配慮している。

捕獲場所の近くまで移動して解体処理できるため、鮮度を落とさず良質の肉が得られる。最大で5頭分の枝肉を冷蔵・冷凍保管できる。矢野富夫町長は「今まで捨てていたものが収入に代わり雇用も生まれる」と話す。

車両の購入価格は2175万円で、55%は国の補助金でまかなった。

ジビエカーは地域住民が主体となり地域振興を担う集落活動センター「ゆすはら西」に町が貸与する。猟友会と協力し町内全域をカバーし解体処理にあたる。同センターには県などの支援で来年3月に食肉処理施設も完成する予定で、1次処理した枝肉を運んでブロック肉などに加工する。

同町の2016年度のシカとイノシシの捕獲数は約1500頭で、08年度に比べて10倍に増えている。大半が埋めて捨てられている。ジビエカーと処理施設の稼働で年400~500頭を食肉として出荷する計画だ。

町と同町猟友会はジビエカー導入に合わせて、四万十森林管理署(高知県四万十市)とシカの被害対策とジビエ活用を推進する協定を結んだ。管理署は捕獲情報の提供や、囲いわなを無償で貸し出すなどして、ジビエ振興を後押しする。

町は9月に「ジビエのまちづくりプロジェクトチーム」を発足させる。町や集落活動センターのほか、商工団体、県外の民間企業2社も加わりジビエ活用策を検討する。農家民宿や道の駅など町内での提供法や、県外への販路開拓に向けたブランドづくりも研究する。

同町は著名な建築家、隈研吾氏が設計した木造建築物が多いことで知られる。森林を活用したセラピーロードを整備するなど、健康づくりや癒やしをテーマにした滞在型の観光に力を入れている。ジビエは健康食としても注目されており、誘客の大きな柱に育てる。

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