阪神で活躍、今度は東日本 復興クレーン 釜石に
阪神大震災の復興で活躍した大型クレーン1基が17日、船で岩手県釜石市の釜石港に到着した。所有していた大阪府が岩手県に無償譲渡したもので、現在同港にあるクレーンの3倍の処理能力がある。岸壁への設置工事をし、9月下旬にも稼働する。今度は東日本大震災からの復興をけん引する。
大型のガントリークレーンは高さ約56メートル、重さ約550トン。台船に乗り、大阪府泉大津市の堺泉北港から4日間かけて着いた。コンテナ貨物を船から陸揚げしたり、船に積み込んだりするのに使われる。1995年の阪神大震災後、大きな被害を受けた神戸港をバックアップするため設置された3基のうちの1基だ。
釜石港では2つの国際フィーダー定期航路が就航し、コンテナ取扱量が急増中。今年は輸出入で過去最多だった昨年の2772個(20フィート換算)を3割上回るペースで推移している。10月には韓国大手の南星海運が中国、韓国と直接結ぶ国際定期航路を開設する。
岩手県は東日本大震災後に職員派遣などで支援してもらった大阪府に、クレーンの譲渡を申し入れていた。受け取った県沿岸広域振興局の杣亨土木部長は「復興のシンボルとして活躍してほしい。釜石港のコンテナ取扱量が飛躍的に伸びるだろう」と話した。