2019年7月24日(水)

国宝鑑賞、複製で気軽に 「松林図屏風」など展示

2017/8/16 23:28
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先端技術により色彩や質感を正確に再現した複製文化財の活用が広がっている。劣化が懸念される国宝級の作品や、海外の遺跡を身近で鑑賞できる。この技術を使って戦乱や火災で失われた文化財の復元に取り組む動きもある。

東京国立博物館の企画展「びょうぶとあそぶ」では長谷川等伯の代表作「松林図屏風」と、米国の美術館が所蔵する尾形光琳作「群鶴図屏風」の複製品を展示している。

当時の鑑賞スタイルを経験してもらおうと、屏風の前に畳敷きのスペースを設置。背景に山水画の映像を投映したり、そよ風の音を再現したりして、作品の世界を想像できるよう工夫した。

本物の松林図屏風は国宝で、温度や湿度を収蔵庫で厳重に管理。ガラスケースに入れた公開は年2週間程度に限られる。担当者は「複製品だからこそできる展示だ。日本文化に関心を持ってもらう入り口になってほしい」と期待する。

この2点はキヤノンが制作した。デジタルカメラで作品を撮影し、専用ソフトウエアで色合いを調整。大型プリンターで和紙に印刷し、職人が金箔を貼って仕上げた。同社はこれまで国宝の屏風やふすま絵など35点を複製し博物館や寺社に寄贈している。

東京芸術大は旧タリバン政権に破壊されたアフガニスタン・バーミヤン遺跡に描かれていた壁画の凹凸などを1970年代の写真から分析し、制作当時の顔料で再現。49年に焼損した法隆寺金堂壁画も、同様の技術を使って火災前の写真や画家の模写から復元した。

これらの壁画は9月から同大学の美術館で展示する。平諭一郎特任准教授(文化財保存学)は「動かせない文化財を空間ごと再現し、時代や距離の制約なく多くの人に見てもらえる」と意義を強調している。〔共同〕

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