2018年12月18日(火)

コメ輸出が過去最高 17年1~6月、伸び率は鈍化

2017/8/10 22:50
保存
共有
印刷
その他

2017年1~6月(上期)の日本のコメ輸出量が、上期として過去最高となった。農林水産省が10日発表した商業ベースの輸出量(援助米を除く)は5589トンと、前年同期比28%増だった。安全性や味わいの良さで需要を開拓した一方、アジア市場で現地産との価格差は大きい。来年からの減反廃止を機に、生産コスト削減などに踏み込めるかが焦点となる。

輸出量が最も多い香港向けは前年同期比24%増の1906トンだった。2位のシンガポール向けは同25%増の1400トンとなった。

日本のコメは海外で和食が広まるにつれ、食味の良さから輸出が伸びている。コメ輸出で3割のシェアを握る神明(神戸市)は年間約3千トンのコメを香港、シンガポール、米国などに出荷している。傘下の元気寿司が香港でも展開しており、高級品を扱うすし店「千両」で日本のコメを使う。

JAみな穂(富山県入善町)は神明と組み、今年から中国への輸出を始めた。大手コメ卸の木徳神糧もコメ輸出を増やす。1~6月は690トンと前年同期比1割増えた。

全国農業協同組合連合会(JA全農)は17年度に29億円、19年度には6割増の45億円のコメ輸出を目標に掲げる。一方で、前年に比べた伸び率は16年の51%を下回った。背景には飼料米生産に農家がシフトしていることがある。「国内の米価上昇もあり輸出用のコメを確保するのが困難になっている」(木徳神糧)

政府は輸出用のコメを飼料米と同様に「新規需要米」と区分しているが、10アールで最大10万5千円の補助金が出るのは飼料米のみだ。世界貿易機関(WTO)の方針で輸出に直接の補助はできない。多くの農家が飼料米の作付けを優先している。

海外産に比べ割高なことも輸出拡大の課題だ。生産コスト高のほか、物流費や現地卸への手数料もかかる。中国のあるスーパーで価格をみると、2キロのコメが現地産は54元(約900円)。日本産(富山産コシヒカリ)は148元(約2500円)と約3倍だ。日本では最高級の魚沼産コシヒカリが2キロ1400円程度で、それと比べても8割高い。

輸出が過去最高となったとはいえ米国と比べても1%に満たない。市場では「年間1万トンではわずかな量」(神明の藤尾益雄社長)との評価も多い。タイやインドなどの輸出大国と互角に競い、物価が安いアジア諸国で拡販するには、生産費の削減で価格差を縮めることが必要だ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報