第一三共、iPS細胞事業に参入 心筋再生で阪大発VBに出資

2017/8/7 23:16
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体のあらゆる部分になることができる万能細胞「iPS細胞」を活用した医療品の開発や販売に加わる製薬企業が相次いでいる。第一三共は7日、心臓の筋肉を再生できる心筋シートの事業化に着手すると発表。ベンチャーのメガカリオン(京都市)らも血液の成分である血小板の量産技術を確立した。研究開発を促す法整備などを背景に、iPS細胞の実用化が間近に迫ってきた。

第一三共は大阪大学発ベンチャーのクオリプス(横浜市)に出資した。出資額は非公開。iPS細胞をもとに作製した心筋シートを心臓に貼り付ける手法の実用化を目指す。重症の心不全患者に対し、心臓移植や人工心臓に代わる治療になる見込み。

阪大の医師が臨床試験を準備しており、第一三共は生産技術の開発などで連携できるか探る。実用化すれば全世界での販売権も得る。第一三共にとってiPS分野での提携は今回が初。

メガカリオンも同日、血液の成分である血小板をiPS細胞から量産する技術を、大塚ホールディングスやシスメックスなど国内の製薬・化学関連企業15社と確立したと正式発表した。20年の承認を目指す。実用化すれば献血に頼らず輸血ができるようになる。

京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作製に世界で初めて成功したものの、実際の関連ビジネスでは、日本企業が欧米企業の後じんを拝しているとの指摘もある。14年にはiPS細胞を含む再生医療等製品の早期承認制度がスタートするなど、国内で実用化を促す仕組みも整いつつある。本格的な国際競争に向け、日本企業は正念場を迎えそうだ。

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