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楽天、縮むECの利益率 競争激化やフリマのコスト先行で

楽天が構造的な電子商取引(EC)の利益率低下に悩んでいる。最大の収益源である仮想商店街「楽天市場」は米アマゾン・ドット・コムなどと競争が激化、かつてのような高成長が難しい。新たな成長源と期待するフリーマーケットアプリは、シェア拡大のための宣伝費などのコストが先行している。

7日に発表した2017年1~6月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比39%増の686億円と大幅な増益だった。売上高営業利益率も16%近くと、前年同期から2.2ポイントも上昇した。ただ、これを額面通りには受け取れない。からくりは「その他収益」だ。

1~6月期は米国のカーシェア事業など海外の投資先の事業規模拡大に伴う評価益が膨らみ、その他収益が178億円と前年同期の5倍に拡大した。この一時的な要因を単純に除くと売上高営業利益率は12%と、低下傾向に歯止めがかかっていない。米アマゾンやヤフーとの競争で、楽天市場は取扱高の伸びが鈍化しているようだ。代わって新たな成長エンジンと期待をかけるフリマのコスト増が利益率を低下させている。

楽天市場やフリマを加えた国内EC事業の4~6月の売上高営業利益率は19%と、前年同期から5ポイント近く悪化した。自ら商品を仕入れて販売する直販事業の拡大で売上高がかさ上げされている面もあるが、フリマへの先行投資の影響も大きい。

楽天は昨年秋にフリマアプリ大手「フリル」を運営するファブリック(東京・渋谷)を買収した。フリマ市場では業界2位だが、業界首位のメルカリには規模や知名度で見劣りする。メルカリを追撃するため売買成約時の手数料を無料にしたり、テレビCMなどマーケティング費用を拡大したりする施策が重荷だ。

三木谷浩史会長兼社長は7日の記者会見で「当社のフリマアプリの流通額は、1000億円が視野に入った」と胸を張った。当面はフリマのシェア拡大を優先する方針で、ECのコストは高止まりする可能性がある。

投資家も「当面は大幅な利益率の改善は見込みにくい」(国内証券アナリスト)として、積極的な買いに動きづらい状況だ。株価は直近のピークだった15年4月の2395円を大きく下回り、1300円前後のボックス圏が続いている。

ただ、フリマ市場は成長余地が大きい。経済産業省によると、16年のフリマアプリの市場規模は3000億円。将来的には1兆円近くまで成長するとの見方もある。

利益率低下は、事業モデルの転換に伴う生みの苦しみだ。フリマがいつ収穫期を迎えるのかが、楽天の利益率や株価を左右する。

(遠藤賢介)

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