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待機児童 千葉県湾岸部で急増

2017/8/8 7:00
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 都内への通勤圏に入る千葉県湾岸部で待機児童が急増している。千葉県がこのほどまとめた2017年4月1日時点の待機児童数は1787人となり、前年比2割増加。マンション開発を背景に若年人口が増加した市川市や習志野市で待機児童が目立った。各自治体は定員増などの対策を急ぐが、申込者数は増加の一途をたどり、待機児童の解消にはつながっていない。

 県内で最も多い576人の待機児童が発生した市川市は1年間で保育所などの定員を715人分増やしたにも関わらず、前年に比べ62人増えた。市は17~18年度の2年間で定員をさらに2000人程度増やす計画で、保育施設の整備のために土地や建物を貸し出す所有者を対象にした優遇税制も導入する。

 2番目に多かった習志野市は338人と268人増えた。JR津田沼駅南口の区画整理地区「奏の杜(もり)」で大型マンションの開発が相次ぎ若年層の流入が増えたためだ。同地区だけで市内全体の待機児童数の2割を占める。保育士不足により受け入れられなかった人数も46人に上った。

 背景にあるのは流入人口の増加だ。市川、習志野両市は転入者が転出者を上回る転入超過数で県内上位に位置する。不動産業のNKコンサルティング(市川市)の奈良桂樹社長は「30代を中心に都内へ通勤する共働き世帯が駅に近い物件を購入するケースが増えている」と話す。

 3番目に多かった浦安市は16年に79人の待機児童があった。ほぼ同数の定員を増やしたが、申し込みはそれ以上に多く、17年は165人に増えた。市川市や東京都江戸川区など待機児童数が多い自治体に隣接するため「相対的に少ない浦安市への流入が増えた」(市の担当者)とみている。

 一方、122人減の81人になった船橋市はこの2年間で定員を約2300人分上積みした。市の担当者は「駅に近い場所で優先的に施設整備を促した効果が出ている」と話す。保育士の給与に上乗せする市独自の手当ての増額も奏功し、保育士の確保も順調だという。

 2年連続で待機児童ゼロを達成した松戸市ではJRや私鉄など市内にある全23駅の「駅ナカ」や駅から徒歩5分圏内の「駅チカ」に0~2歳向けの小規模保育施設を整備した。バスで認可保育施設まで送迎する事業を手掛ける流山市は92人と依然高水準だが、前年より54人減らした。

 ただ、保育所開設に周辺住民の理解が得られないなど、待機児童解消には新たな課題も出ている。行政に詳しい千葉大学法政経学部の関谷昇教授は「定員の拡充は急務だが数合わせになっては本末転倒」と指摘、「どういう保育ニーズがあるかを丁寧に把握し、周辺住民にも本気で向き合い理解を求める必要がある」としている。

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