知財活用 長野県信組が特許業務法人と提携
長野県信用組合(長野市)は2日、長野市内の本店で特許業務法人大谷特許事務所(東京・港)と「知的財産を活用した経営支援の業務連携・協力に関する覚書」を交わした。県信組の取引先で特許取得など知財関連の問題が生じた際に専門家が支援する。県信組の担当者は「特許事務所との連携は県内でも珍しい事例ではないか」(経営支援部)という。
締結式には大谷事務所のほかに特許庁所管の独立行政法人である工業所有権情報・研修館(INPIT=インピット)の長野県知財総合支援窓口も参加。県信組は昨年8月に連携協定を結んだ信州TLO(上田市)も含め、取引先の知財関連の支援を専門の3者が手掛ける体制を整備した。
大谷事務所が金融機関と連携協定を結ぶのは初めて。平沢賢一所長は「これまで知財といえば大手企業が中心だった。中小企業向けの取り組みは長野県からスタートしたい」と抱負を述べた。その上で県信組との連携が順調に進めば県内に支所を出す構想も明らかにした。
県信組の黒岩清理事長は「(担保や保証に頼らない)事業性評価でも中小企業が保有する知財の適切な評価が必要だ」と話し、知財の有無を融資の判断材料に加える方針を示した。
関連企業・業界
業界: