2019年6月19日(水)

減産でも強いサウジ原油 日本市場でシェア保つ

2017/7/31 22:37
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石油輸出国機構(OPEC)の協調減産下で、サウジアラビアが日本の輸入原油に占めるシェアを維持している。サウジ産原油は1~6月、日本の輸入量の4割を占め、減産開始前とほぼ変わらない。単価の高い軽質油の調整金を引き下げて値ごろ感を出し、シェアを守る意図がうかがえる。

資源エネルギー庁が31日発表した石油統計によると、サウジ産原油の輸入は1~6月(6月は速報値)の合計で3697万キロリットルと前年同期比6%増えた。国別シェアは半年間の平均で40%。OPECと非加盟の主要産油国が協調減産を始める前の昨年12月と同じで、前年同期より上昇した。

割を食ったのがイランやカタールだ。イランからの輸入量は同2割減った。経済制裁を解かれた昨年1月以降の拡販が一巡したとみられる。日本の製油所の定期修理の影響もあったようだ。

サウジが長期契約で輸出する原油の価格は、指標原油の月間平均価格に調整金を加減して決める。このうちガソリンや軽油を多くつくれる軽質油は、アジア市場で調整金を安めにしているのが最近の傾向だ。

最も軽質の油種と重質油の調整金の差は、昨年12月積みで1バレル当たり7.25ドルだったが、6月積みは5.85ドルに縮んだ。軽質の「エキストラライト」の日本の輸入量は1~6月、前年同期比1.4倍に急増した。

サウジは協調減産を率先して実行し、4~6月の平均生産量は基準の昨年10月に比べ6%少ない日量992万バレル程度。「全体の量が減る分、重質油より単価の高い軽質油を多く売ろうとしている」(原油トレーダー)とみられる。

サウジが値決めの指標とする中東産ドバイ原油は、重質で硫黄分が多い。このため米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油よりやや安く取引されていたが、昨年末から両者の価格は逆転。シェール増産がWTIの上値を抑え、米国産に割安感が出ている。

サウジは軽質油の調整金を低めにして、価格競争力を維持しようとしているとの見方が多い。ただ重質油が割高な構図が長引くと弊害もありそうだ。「(重質油からつくる)重油の需給が引き締まり、価格が上がる可能性がある」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコノミスト)との指摘がある。

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