堂島商取のコメ先物、試験上場再延長へ 異例の政治介入

2017/7/27 22:50
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 大阪堂島商品取引所が申請していたコメ先物の正式な上場は、試験上場にとどまるのがほぼ固まった。異例の政治介入により「先物=価格の乱高下」と決めつけた。コメの減反政策が終わるのを控え、民間市場でなく政治的に米価を誘導することを優先した。

 「本上場はほぼ全員が反対意見だったと思う」――。

 27日に自民党が開いた農業プロジェクトチームの会議で、宮腰光寛座長は総括した。実際には前回21日の会議で「リスクヘッジには先物も必要」「絶対あったほうがいい」との声も複数議員から出ていた。肯定派はなかったことにし、農林水産省への「申請については認め難い」との申し入れをまとめた。

 一時は本上場の認可へ前向きになっていた農水省は自民党の反発で一転、「堂島商取に伝える」と応じた。本来なら認可するかどうかは、法律に則って農水省が判断するものだ。今回は、民間市場である堂島商取が「上場商品にコメ先物を加える」との定款変更を認めるかが問われた。

 商品先物取引法では「十分な取引量」と「流通市場での必要性」の2点を見込めるかが判断の基準だ。前回、農水省はこの2点を満たしていることをデータで説明した。2回の試験期間延長により、取引量は2011年からの第1期に比べ直近は61%増の1日平均1542枚に拡大。現在ではトウモロコシを上回り、農産物の先物取引でコメが最も出来高の多い品目となった。

 先物の必要性は大規模な農家も言及している。農業生産法人、新潟ゆうき(新潟県村上市)は今年、余った新潟コシヒカリの一部を先物市場を通じて売った。新潟コシは16年産が豊作となり、過剰感が強まった。佐藤正志社長は「先物市場で売り先を確保できて助かった」という。

 JA大潟村(秋田県大潟村)の小林肇代表理事組合長は「先物は価格指標としての役割を期待できるツールで、本上場が認可されなければ残念」と話す。

 政治介入がここまで強く出たのは、品目がコメだからだ。農家は票田であり、とくにコメ生産は様々な補助金の対象になってきた。それでも来年から減反廃止という自由化への一歩を踏み出すが「そのタイミングでの乱高下は避けたい」(自民議員)との意見が重視された。逆に価格の安定にも寄与できる利点は理解されていない。

 堂島商取は近く理事会を開き「3度目の試験上場の延長」に申請を切り替えるか協議する。再び2年の期限付きとなるが「市場存続が最優先」(幹部)と受け入れざるを得ない状況に追い込まれている。残りの2年で生産者や農業協同組合の参加を増やし、売買高のさらなる増加につなげられるか。突きつけられた課題は重い。

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