2019年2月24日(日)

菊池寛の「幻の作品」 怪奇小説、自筆の原稿

2017/7/14 1:52
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高松市は13日、同市出身の作家、菊池寛(1888~1948年)が執筆した怪奇小説「妖妻記」の自筆原稿が見つかったと発表した。オオカミの妖怪が登場する話で、昭和初期に一部の新聞に掲載されていたが全集や作品集には収録されておらず、専門家は「幻の作品で画期的な発見だ」としている。

小説は、江戸時代末期の群馬県・武尊山麓が舞台。他の男と密会した妻を殺して逃亡し、子供3人と暮らしていた男が地元の女性と再婚するが、実際はオオカミの妖怪だった女性が子供を殺していく内容になっている。

400字詰め原稿用紙64枚に手書きでつづられ、題名の下に「菊池寛」と記名。18回続きの連載で、題名は5回目までは「妖妻奇談」、6回目から「妖妻記」となっている。挿絵17枚と共に、地方紙を発行していた「夕刊大阪新聞社」と記載された封筒に入っていた。

高松市が2011年8月、東京の古書店から購入。専門家と調査を続けた結果、今年3月、日本新聞博物館(横浜市)で1931(昭和6)年の夕刊大阪新聞に同じものが掲載されているのを確認した。

菊池寛の研究者、青山学院大の片山宏行教授は「現実主義者のイメージを一転させ、マンネリズムを打破しようと試みた実験的作品だ」と指摘。「小説『真珠夫人』で成功し女性読者を対象としていたが、男性をも取り込める大衆小説の開拓が念頭にあったと思われる」と分析する。

高松市は14日から10月22日まで、同市の菊池寛記念館で原稿を一般公開する。〔共同〕

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