北朝鮮ミサイルに住民ら不安 被爆者、憤りの声

2017/7/5 1:05
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国際社会の警告を無視し、北朝鮮が4日、弾道ミサイルを発射した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性があり、防衛省や米軍関係者は「新たな脅威だ」と警戒を強めた。度重なるミサイル発射に、日本海沿岸部や米軍基地周辺の住民の不安は募る。広島では核の惨禍を経験した被爆者が強い怒りの声を上げた。

弾道ミサイルが落ちた地点は秋田県・男鹿半島沖約300キロメートルの排他的経済水域(EEZ)内。発射の一報が入った午前10時ごろから被害確認や連絡会議に追われた県総合防災課の担当者は、「秋田県沖に落ちたと聞いて不安を感じる県民もいる」と打ち明ける。

県民からは「どう対応したらよいのか」との声が寄せられており、5月には県ホームページにミサイル落下時の対応方法や全国瞬時警報システム(Jアラート)の説明を掲載。担当者は「適切な情報提供で県民の不安解消に努めたい」と話す。

防衛省では午後3時半、ICBMの発射実験に成功したとする北朝鮮報道を映すテレビ画面を多くの職員が見つめた。

同省幹部は「驚きはない。北朝鮮の報道は誇張していることもあるので冷静な分析が必要だ」と指摘。米海軍関係者は「北朝鮮はICBMの弾頭が大気圏に再突入するための技術を確立していない。米本土までは届かないはず」と懐疑的な見方をしつつ、「軍事的な技術が向上すれば大きな脅威だ」と話した。

深刻さを増す北朝鮮の動きに、国内関係者の不安は大きい。米軍基地がある神奈川県横須賀市。基地近くに住む介護福祉士の女性(69)は「米国が北朝鮮を攻撃する可能性もある。日本にミサイルが飛んできたとき、本当に防げるのか」と険しい表情。夫と息子が基地で働く女性看護師(59)は「万が一のことを想像するとやはり怖い」と声を震わせた。

1歳のときに被爆した広島市の松本暁子さん(73)は「北朝鮮と米国の緊張がさらに高まり、武力行使につながりかねない」と憤る。昨年5月のオバマ前米大統領の広島訪問で高まった平和への機運は、ミサイル発射などの影響で大きく後退したと感じる。

「核兵器が二度と使われないよう、自分たちが平和への思いを発信し続けなければならない」と強調した。

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