阪急オアシス、小型ショッピングセンター参入

2017/7/5 6:00
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エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下の食品スーパー、阪急オアシスは4日、初の小型ショッピングセンター(SC)を兵庫県伊丹市に開業した。スーパーを核に衣料品など16の専門店を集め、住民が日常的に買い物できる場を作った。人口が増える伊丹市はH2Oが提携した老舗の関西スーパーマーケットの本拠地。他社も多い激戦区だが、競合しながら協業して営業基盤を広げる象徴となっている。

阪急電鉄伊丹駅から車で北に約15分。雪印メグミルク関西チーズ工場の跡地に開業した近隣型ショッピングセンター(NSC)が「オアシスタウン」だ。27億円を投じ、面積1万8千平方メートルの敷地に衣料品店や100円均一店などをテナントに招いた。必需品が1カ所でそろう集客力の強いNSCで市場を開拓する。

中核である高級食品スーパー「阪急オアシス伊丹鴻池店」では、鮮魚コーナーでマグロの解体ショーを開催。市内在住の女性は「市場に来たみたい」と歓声を上げた。

千野和利会長兼社長は「価格競争だけでなく、商品の質や楽しくなる店舗作りを進めて他社との違いを鮮明にする」と説く。スーパーとしては4店目の開業で伊丹市内での売上高80億円、販売シェア13%を狙う。2019年中にも他地域でNSCの開業を計画する。

伊丹市を狙うのは同市が「人口が増加傾向で、若い家族層が多く住んで将来性が高い」(千野社長)有望地域。H2Oが掲げる「関西ドミナント化戦略」のカギとなる場所なのに関西スーパーの牙城で出店が思うように進まなかったからだ。「5年前から計画を進め」(千野社長)、雪印の工場跡地という大きな拠点を得たわけだ。

同市は既に大激戦区。オアシスタウンの近隣には2つの巨大なイオンモールのほか、H2O傘下のイズミヤも大型店を構える。関西の食品スーパー最大手の万代やコープこうべ(神戸市)も複数店を営む。

市内に7店舗を展開する関西スーパーも6月下旬、本店隣で撤退した競合スーパーの跡地を、ドラッグストアや100円均一店などが入居する専門店棟に変えて利便性を高めた。地元商店街と共同で音楽や料理などのイベントも開催する。福谷耕治社長は「住民はより近い店に足を運ぶようになっている。近隣の方に確実に来てもらえるようにする」と強調する。

地域では競合するH2Oと関西スーパーだが、16年10月に資本業務提携を締結。物流や商品開発で提携し経費を節減する。関西スーパーの店頭では集客力のある阪急オリジナルのカレーなども4月から販売中だ。「将来的にはH2O商品の取り扱いを全体の1割まで引き上げる」(福谷社長)。2年後をメドにH2Oのポイントも導入する。

コンビニエンスストアやドラッグストアなど業態の垣根を越えた消費者の胃袋争奪戦が激しさを増す。H2Oは関西スーパーと伊丹市内では競争しながらも関西全体では協業し、したたかにコスト低減と販売増につなげる。関西の消費者を「面」で押さえ、生き残りを目指す。(大阪経済部 荒尾智洋)

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