袋井市が国際交流促進 ラグビーW杯契機に

2017/7/5 7:01
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「ラグビーワールドカップ(W杯)を契機にまちを国際化する」。袋井市が新たな取り組みとして、市民の国際交流の促進に力を入れている。2019年のラグビーW杯日本大会に向けて、ホームステイや観光案内など市民が草の根で外国人を受け入れられる体制を強化。国際都市として市内外にアピールし、市民生活の向上や人口減対策に生かそうとしている。

15年3月2日、袋井市役所は歓喜の声に湧いた。アジアで初開催となるラグビーW杯の会場の1つに、袋井市のエコパスタジアムが選ばれたからだ。開催期間中は多くの外国人観戦客が訪れると予想される。

市はこれを受けて17年4月、新たに国際交流室を立ち上げた。W杯を契機に、袋井市を市民と外国人の交流が活発な国際都市に発展させる役割を担う。

目玉企画が「ふくろい版ホームステイ」だ。大手旅行会社と組み、市内へのホームステイや市民との交流を組み込んだ観戦ツアーを販売する計画。5月からW杯期間中にホームステイを受け入れる300世帯と、料理教室や観光名所巡りなどの交流参加家庭200世帯の計500世帯の募集を始めている。既に200世帯が登録した。

「楽しくて2日間があっという間でした。今も交流が続いていて、海外に友達ができたみたいです」。市内在住の織部由佳さんは16年12月、W杯に先立って、国内に住む外国人30人を招いた市のホームステイのトライアルに参加。6歳と2歳の子どもが海外に興味を持つきっかけにもなったと言い、「今後も積極的にホームステイを受け入れたい」と話す。

「まずウチが目指すのは内向きの国際化です」。国際交流室の鈴木浩方室長は市民を巻き込んだ交流事業にこだわる理由をこう説明する。国際都市を名乗れるレベルまで交流が根付くには、単にハード面を整備して多くの外国人を市に招くだけでなく「市民自らが積極的に外国人を迎え入れ、心の交流が生まれる風土をつくることが重要なんです」と力を込める。

ホームステイの参加家庭の準備も兼ね、市内の公民館で英語を学べる出前講座も16年から開始。ニュージーランドとオーストラリア出身の職員2人を国際交流員として、外国人から見た市の魅力を発信する取り組みも始めた。訪日客に市内を案内する「おもてなしガイド」など、より気軽に参加できるプログラムも整備する予定だ。

袋井市がこれらの施策に注力する背景には、02年のサッカー日韓W杯の反省もある。当時は01年の東海道400年祭や03年の国体開催などイベントが目白押しだったため、「瞬間的な盛り上がりで終わってしまった」(鈴木室長)。

今回は準備期間も長くとれたため、02年にはなかった新しい取り組みに腰を据えて取り組めているという。原田英之市長も「国際社会の中でコミュニケーションがとれる素地を築くきっかけにしたい」と意気込む。千載一遇のチャンスを将来の市の発展につなげるべく、市民総出のおもてなしの準備が進んでいる。(伊神賢人)

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