2017年11月20日(月)

北陸電力社長、電力間連携「利点あれば」 KDDIと協力

2017/6/29 7:00
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 北陸電力の金井豊社長は28日、株主総会後の記者会見で当面の経営姿勢などを説明した。電力各社との連携については「お互いにメリットがあれば進めていく」と述べた。また、新たにKDDIと提携して顧客を確保することを明らかにした。ただ2017年3月期連結決算で最終赤字となった経営環境を改善する道筋を明示したとまではいえず、志賀原子力発電所(石川県志賀町)の再稼働に事実上頼っていることがうかがえた。

 北陸電は今月、送配電部門について、隣接する関西電力中部電力と広域に連携する検討を始めたと発表。これについて金井社長は「関電の送電線が(北陸電の)営業エリア内を通しているなど地域的な特性がある。お互いに協力すれば設備維持や補修について効率的な運営ができるのではないか」と話した。

 また、金井社長は「各社とも今の経営形態を維持できるのであれば、積極的に連携を進めたい」と述べた。原子力分野では、北陸電は昨年、関電、四国電力中国電力九州電力と、原子力災害が発生した場合の拡大防止策など原子力事業に関する相互協力にも参加している。

 東京電力ホールディングスについては「将来の経営統合に向けての提携というニュアンスがあり、少し方向性が違うのではないか」と言い、改めて距離を置いた。東電は送配電事業をめぐり他社と連携する方針を示しているが、「事業統合してまでメリットがでるとは今の段階では考えにくい」とも発言。東電、中部電力とは原子力の安全性向上で技術協力する協定を結んでいるものの「技術的な面で協力できることをやっている。その枠組みでいいのではないか」とした。

 経営環境については「今まで以上に厳しい状況」との認識。収益改善が急務となるなか、金井社長は同日、新たにKDDIと提携、通信を組み合わせて販売することを公表した。16年4月の電力小売りの全面自由化で顧客の離脱が続いており、利便性向上で歯止めをかける狙いだ。通信大手では、ソフトバンクNTTドコモとポイントサービスなどが特典となったセット販売で提携済みだ。

 また、金井社長は「安全性を最大限高めた上で、できるだけ早く志賀原発2号機を再稼働させたい」と発言。再稼働の見通しが立たない中でも原発事業への期待感を隠さなかった。

 北陸電は首都圏での営業強化や、3月に立ち上げたエネルギー設備の設置・管理の受託事業などの新会社で収益拡大を目指すが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荻野零児シニアアナリストは「大きな増収増益につながる策はなかなか見当たらない」と指摘。「赤字が3年連続で続くようなら、電気料金の値上げを考えなければならないだろう」とみる。

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