2019年7月23日(火)

豊島、産廃の無害化完了 課題は投棄跡地の地下水汚染対策

2017/6/13 7:01
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瀬戸内海の豊島(香川県土庄町)に不法投棄された産業廃棄物の直島での無害化処理が12日完了した。3月末の島外撤去に続き、原状回復へまた一歩前進した。今後の最大の課題は投棄跡地の地下水汚染対策だ。県は国の財政支援が約束された現在の特措法の期限である2022年度までに浄化施設の撤去を目指しており、排水基準を満たすまで水質を改善できるかが焦点だ。

県直島環境センターではこの日、船で運んで最後まで残っていた44トンを溶融炉に投入し、無害化を終えた。14年間かかった処理総量は計約90万トン。直島町長や協力会社の代表者らが見守る中、炉の停止操作をした浜田恵造知事は「大きな区切りを迎え感慨深い。関係者の理解と協力のたまもの」と謝辞を述べた。

無害化した産廃はコンクリートやセメントの原料として再利用している。今年中に同センターからすべての搬出を終える予定。来年には設備の解体撤去も始める。

産廃そのものの無害化が終わったことで、県と住民との公害調停でうたう原状回復に向けた最大のハードルは、豊島の投棄跡地から出る地下水や浸出水の浄化となる。

現在、周囲に張った遮水壁によって海に流れ込むのを防ぎ、ポンプでくみ上げて高度排水処理施設で浄化。水質汚濁防止法に基づく排出基準まで改善して放流している。700億円以上を投じた総事業費のうち約6割は国費。その根拠となる特措法が22年度末に期限を迎えるため、県はそれまでに水質を改善し、排水処理施設の解体も終えたい考えだ。

そのうえで遮水壁を開放し、環境基準に達するまでモニタリング監視を続ける方針だ。

とはいえ、水質浄化が想定通り進むとは限らない。浜田知事は「効果的、経済的な対策を早急に検討する」と述べるにとどめる。廃棄物対策豊島住民会議の安岐正三事務局長は「負の遺産を我々の世代で片付けるのが悲願。1ミリずつでも確実に前に進みたい」と力を込めた。

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