女性宮家検討で合意 与党と民進、付帯決議案に明記

2017/5/31 0:35
保存
共有
印刷
その他

天皇陛下の退位を実現する特例法案を巡り、与党と民進党は30日、皇位の安定継承に関する付帯決議案で合意した。女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」創設の検討を盛り込む一方、国会報告の期限は示さなかった。与党は6月1日に衆院議院運営委員会で審議入りし、2日の衆院通過をめざす。政府は皇位の安定継承策を具体化する新組織の設置を検討し、来年の法施行後に予定する国会報告に備える。

30日の衆院議運委理事会の筆頭間協議で合意した。29日に佐藤勉委員長(自民)が示した修正案と同じ内容。皇位継承に関し「女性宮家の創設等について、先延ばしすることはできない重要な課題である」などと明記した。そのうえで「法施行後速やかに」検討を行い、「その結果を、速やかに国会に報告する」とした。

与野党協議の最大の焦点は、民進党が強く求めた「女性宮家」の扱いだった。自民党が譲歩して「女性宮家」の文言を盛り込む一方、皇位継承策の検討開始時期については民進党が求めた「法成立後」ではなく、与党案の「法施行後」とした。国会報告の時期も「速やかに」としたものの、民進党が主張した「1年をめど」などと具体的に期限を切らなかった。

与党筆頭理事を務める自民党の高木毅氏は協議後、記者団に「譲るところは譲っている。お互いさまではないか」と述べた。野党筆頭理事である民進党の泉健太氏も「部分部分、双方100点満点ということはない」と語り、両者の歩み寄りによる合意を強調してみせた。6月1日の審議では、政府から菅義偉官房長官らが答弁に立つ予定だ。

政府は法案成立後、皇位の安定継承や皇族数の減少対策を議論する新組織の検討に入る。官邸幹部らを中心に内閣官房に設ける案がある。だが「女性宮家」は女性・女系天皇につながりかねないとの指摘から、自民党の支持基盤である保守層に反対が根強い。安倍晋三首相も慎重な立場を取っており、女性宮家の創設を前提に検討するかは不透明だ。

新組織が検討するのは、短期的には女性皇族が結婚後も公務を続けられるようにする案が軸となりそうだ。将来的には、戦後まもなく皇籍を離れた「旧宮家」の皇籍復帰も選択肢とする考えだ。ただ女性皇族の公務継続は皇族減少対策にはなっても皇位の安定継承の確保にはつながらず、旧宮家の復帰も現実的でないとの声がある。

秋篠宮家の長女、眞子さまが今夏にも婚約されることが明らかになり、皇族数減少への対策は喫緊の課題だ。付帯決議には「女性宮家」の文言を盛り込むことで一定の決着を見たが、検討結果を国会に報告する時期は明示されず、先送りされる可能性もある。安定的な皇位継承策の実現に向けた課題はなお多い。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]