2018年1月20日(土)

生産性向上、首相が音頭 サービス業の官民協議会

2017/5/25 0:36
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 安倍晋三首相は24日、国内総生産(GDP)の7割を占めるサービス業の生産性向上に向けた官民協議会の初会合を開いた。仕事の効率や質に焦点を当て、長時間労働の是正に力点を置く働き方改革を後押しする。足元の経済の深刻な課題となっている人手不足の解消にもつなげるのが狙いだ。

 「人手不足が経営者の最大の課題だ。乗り越えるには労働生産性の向上しかない」。首相は同日、首相官邸で開いた「生産性向上国民運動推進協議会」の冒頭で力説した。会議には経団連の榊原定征会長、連合の神津里季生会長らが参加した。官民、労使を一堂に介したのが特徴で、トヨタ自動車の林南八顧問は「生産性向上は(製造や物流、小売りなどが)連動してやらないと成果につながらない」と強調した。民間の企業経営者らが製造業のノウハウを取り入れた小売りや飲食業の効率化策を説明した。

 協議会はサービス業のうち小売り、飲食、宿泊、介護、運送業の5分野を対象に分野別の指針(ガイドライン)をつくる。5分野がかかえる従業員はサービス業全体の約4割。顧客単価の向上や食品などの廃棄(ロス)の削減、時間あたりの作業量の増加などを目標に掲げ、具体的な対策を検討する。

 サービス業には資金面など企業体力に制約を抱える中小企業も多い。人員の配置や管理・輸送など効率化を進めることでこうした企業の収益の底上げを目指す。6月に策定する骨太の方針に盛り込み、2018年度予算でも重点項目とする。

 会議の新設を提起したのは首相自身。「これはいい。やろう」。首相は15日、首相官邸に生産性向上の取り組みを説明に来た加藤勝信一億総活躍相にこう語った。加藤氏は政府内に既にあった「サービス業の生産性向上協議会」を1回開くという提案だったが、首相の意欲を受けて新たな会議を発足することにした。

 首相自らが旗振り役となるのは、生産性の向上がアベノミクスの行方を左右すると見ているためだ。有効求人倍率が全都道府県で1倍を超え、雇用情勢が好調ないま、経済面の課題は働き手をいかに確保するかにある。

 働き方改革で取り組んだ長時間労働の是正は労働時間の短縮につながり、かえって人手不足問題を深刻化させかねないとの懸念があった。生産性の向上に成功すれば企業は収益をあげやすくなると読む。

 ただ、サービス業における生産性向上の問題は長年の懸案だったが、なかなか改善しなかった。会議を新たにつくれば、進展するほど簡単なものではない。これから議論するとはいえ、生産性を短期に上げる「即効薬」も、なかなかみつからないのが実情だ。具体策づくりが難航し、会議の乱立で終わるリスクを指摘する声もある。

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