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中国・吉利、マレーシア・プロトンに49%出資

中国の自動車大手、吉利汽車の親会社である浙江吉利控股集団は24日、マレーシアの同業、プロトン・ホールディングスの株式の49.9%を取得すると発表した。プロトンが持つ英高級車ロータスの株式51%も譲り受ける。東南アジア市場や欧州市場を開拓する足場とする。中国メーカーが国内に続く成長の場を求め、海外展開する動きが一段と加速してきた。

プロトンの親会社のDRBハイコムと吉利が24日、株式譲渡で基本合意した。ロータスの企業価値は1億ポンド(約145億円)で、譲渡額はその半分程度とみられる。プロトン株の譲渡額は7月末までに詰める。

吉利の李東輝・最高財務責任者(CFO)は24日にマレーシアで開いた会見で「2020年にはグループで年間300万台を生産する計画で、このうち50万台はマレーシアでつくる」と述べた。

吉利の16年の新車販売台数は約76万台。10万元(約160万円)以下と低価格のSUV(多目的スポーツ車)を中心に地方の若者らをつかみ、販売台数を15年比で5割増やした。ただ、中国以外では吉利ブランドは無名で、総販売に占める輸出比率は3%弱の2万2000台にとどまる。

プロトンへの出資で、吉利はマレーシア市場で国内メーカーのプロドゥア、ホンダに次ぐ3位の地位を得る。プロトンは年約35万台の生産能力があり、吉利傘下のスウェーデンの高級車ブランド、ボルボ・カーの技術などを取り入れて品質や製品力を高める。将来はプロトンの工場で吉利ブランドの車を生産し、東南アジアで販売する可能性もある。

ロータスを子会社にできる利点も大きい。吉利ブランドが低価格帯のSUV主体、ボルボが高級乗用車で、ロータスのスポーツ車とすみ分けができる。中国で若者向けの販売拡大が期待できる。

吉利は10年に米フォード・モーターからボルボ・カーを買収。13年にも英国名物の「ロンドンタクシー」をつくるロンドン・タクシー・カンパニーも買収した。今回の出資は東南アジア進出への布石。役員も送り込み経営を主導する考えだ。

販売が落ち込み、外資との提携に活路を求めたプロトンへの出資企業としては、スズキやフランスのPSA(旧プジョーシトロエングループ)も有力視されていた。

吉利はプロトンへの出資に一時消極的だったとされるが、ロータスを子会社にできることが背中を押した可能性がある。

中国は東南アジアを含む広域経済圏構想「一帯一路」を進め、マレーシアも協力する姿勢を示す。今回の吉利によるプロトンへの出資では、両国の政治的思惑が働いたとの見方も多い。中国は最近、マレーシアの格安航空大手エアアジアによる国内線参入を外資で初めて認めたばかりだ。

東南アジアでは、中国自動車大手の上海汽車集団がすでにタイ財閥のチャロン・ポカパン(CP)グループと合弁生産に乗り出している。

吉利はこれを追うが、プロトンは1万人の従業員を抱え、工場の稼働率も低迷。マレーシアは技術力のある下請け企業が少なく、輸出拠点としての活用も難しい。プロトンの親会社DRBが株式の50.1%を引き続き握る中で、どこまで効率化できるかが焦点となる。

 シンガポール=中野貴司、クアラルンプール=CKタン、上海=小高航

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