2019年9月24日(火)

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 22,098.84 +19.75
日経平均先物(円)
大取,19/12月 ※
21,940 +30

[PR]

業績ニュース

三菱ケミHD一転増益 4000億円分離 やっと果実

2017/5/13 0:07
保存
共有
印刷
その他

三菱ケミカルホールディングス(HD)が12日発表した2017年3月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す「コア営業利益」が前の期比2%増の3075億円となり、従来の減益予想から一転した。石油化学製品などの市況好転だけではなく、10年をかけて事業再編を繰り返してきた効果が出た。ただ化学業界は大再編が進行中で、海外大手との体力差はなお大きい。

「売上高が2兆円の会社では難しかった大胆な手を打てるようになった」。12日、都内で開いた決算会見で小酒井健吉最高財務責任者(CFO)は前期を振り返った。

中国とインドで1千億円規模の売り上げがあったポリエステル原料「テレフタル酸」事業から16年末に撤退。汎用品(コモディティー)化が進み収益性が低下した事業を整理し、自己資本利益率(ROE)は15%と前の期から10ポイント上昇した。

M&A(合併・買収)を重ね連結売上高を3兆3761億円まで増やしてきた三菱ケミHD。実は過去10年の間に肥料や塩化ビニールなど売上高で4千億円強にあたる事業から撤退した。グループを再編するなかで低収益事業を切り離したことが前期に効果を出した。

今年4月には傘下にある三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂を統合した「三菱ケミカル」を発足。越智仁社長は「各社から持ち寄った販売網や技術を駆使して高収益企業に脱皮する」と語る。

まず炭素繊維やエンジニアリングプラスチック(高機能樹脂)の「高機能成形材料」など連関する事業ごとに10の部門に再編した。トヨタ自動車の「プリウスPHV」に採用された炭素繊維複合材を今では欧州のエンプラ部隊が売り歩く。21年3月期までに500億円の統合効果をめざす。

とはいえ3社統合は「寄せ集め」の域を脱し切れていない。例えば新しいものづくりの手法として採用が進む3Dプリンター。三菱ケミHDも関連材料の強化をうたうが「今でもグループ内の10社がバラバラに手掛けている」(幹部)。

買収を繰り返した負の面で、三菱ケミだけでもグループ会社は400社ある。3年以内に300に減らす方針だが緒に就いたばかりだ。

悠長に構えている時間はない。世界の化学大再編は待ったなしだ。

中国化工集団(ケムチャイナ)による農薬最大手スイス・シンジェンタの買収は6月中にも成立見込みで、米ダウ・ケミカルと米デュポンは世界首位をめざして統合手続きを進める。三菱ケミHDは国内首位とはいえ、世界では10位。時価総額も米3Mの10分の1、デュポンの6分の1だ。

三菱ケミHDは世界の巨人とも、安さを武器にする中東や新興国勢とも異なる勝ち残りへの道を開けるか。次の進化までの猶予は10年もない。(佐藤浩実、竹内弘文)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。