4億4千万年前ごろに起きた最初の生物の大量絶滅は、火山の巨大噴火によって引き起こされた寒冷化が原因だったとする研究成果を、東北大大学院などのチームが10日、発表した。
地球では多種類の生物絶滅が5回発生。1回目はサンゴ礁や三葉虫など海にいた生物の種の約8割が絶滅したが、原因はよく分かっていなかった。3、4回目の大量絶滅時にも大噴火があったとされる。
東北大大学院の海保邦夫教授(生命環境史学)は「大量絶滅の大部分は火山噴火が原因であることが、よく分かってきた。隕石(いんせき)衝突で恐竜が絶滅した5回目は非常に特殊な例だ」と話している。
海保教授らは、中国南部と米国西部にある同時代の地層を分析。通常はほとんど検出されない水銀を高濃度で採取した。火山の巨大噴火で、地下のマントルに含まれる水銀が空高く放出されて世界中に広がり、堆積したとみている。
噴火で水銀と一緒に噴出した二酸化硫黄ガスが、上空約10キロ以上の成層圏で硫酸に変化。太陽光が遮られて寒冷化が起き、大量絶滅に至ったと、チームは推定した。〔共同〕