2019年5月20日(月)

伊那市のふるさと納税返礼品、家電は除外、体験型ツアーを検討

2017/5/10 7:00
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伊那市の白鳥孝市長は9日の記者会見で、ふるさと納税の返礼品から家電製品をすべて除外すると発表した。市長は12日に総務省を訪れ、見直し内容を報告するとともに自治体間で不公平感を残さないよう要請する方針。一方、県内でパソコンやカメラ、時計などを返礼品にする市町村には模様眺めの姿勢が広がり、ただちに中止に踏み切る自治体は少ない見通しだ。

6月1日から除外するのはブルーレイレコーダーや液晶テレビなど家電品約30品目。農産物など約70品目は継続する。

白鳥市長は家電を除外した理由として「ふるさと納税の返礼品をめぐる過剰な競争で制度のひずみが大きくなっているとの総務省の意図をくんだ」と述べた。ふるさと納税は「地域活性化につながる素晴らしい制度」としたうえで、制度の維持継続へ家電製品の除外に踏み切ったと説明した。

家電製品を除外する一方、「信州そば発祥の地」といった地域資源を生かした体験型ツアーやドローンの操縦技術合宿などを新たな返礼品として検討する。「モノ」から「コト」を意識して返礼品を組み替える。

総務省は4月1日、返礼品の調達経費(返礼率)を3割以下にすることや、資産性の高い電子機器などの取り扱いの自粛を全国の自治体に通知した。伊那市は同18日に返礼率が3割を超える品目や10万円以上の家電の取り扱いを中止。10万円未満の家電は「資産性の高いもの」に当たらないと継続していた。

しかし高市早苗総務相が同21日の記者会見で伊那市を名指しして家電の継続が「通知の趣旨にそぐわない」と発言。市は再検討を始めていた。

県内の市町村は家電を巡る総務省と伊那市のやり取りを注視してきた。日本経済新聞が9日、家電などを扱う8市町村に聞き取り調査したところ、パソコンとタブレット端末の取り扱い中止を検討していた喬木村は6月末で中止する方針を明らかにした。

一方、セイコーエプソンのプリンターなどを返礼品にしている塩尻市は「地元の製品として継続していきたい」と明言した。他の6市町は「地元の雇用にも役立っているし、なかなか結論が出ない」(安曇野市)、「伊那市の発表を受けて国がどういう対応をとるか見守りたい」(岡谷市)と、模様眺めの姿勢だ。

総務省が自粛の対象にしている品目には家具もある。松本市の菅谷昭市長は9日、返礼品として「松本民芸家具」を継続する方針を明らかにした。ただ寄付額の3割までに抑えるため、寄付額の設定を見直す予定。

市は松本民芸家具について「伝統工芸の品物で、高額ではないという考え。伝統産業で後継者育成のこともあり引き続きそのままにしたい」(都市交流課)としている。

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