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韓国ロッテ、持ち株会社に 財閥批判で透明化

昭夫会長の支配、明確にする狙い

韓国ロッテグループは26日、持ち株会社(HD)制に移行すると発表した。グループ会社が株式を持ち合って創業家の支配を支える複雑な仕組みの解消を進め、経営を透明化する姿勢を示す。韓国では大手財閥の不透明な経営への風当たりが強く、サムスングループもHD制移行を検討。創業家が支配力を維持しつつ、迅速に意思決定できる利点もあり、韓国の財閥の間で広がりそうだ。

発表によると、ロッテは食品製造や小売りなどを手掛け、韓国取引所に上場する4つのグループ会社(ロッテ製菓、ロッテ七星飲料、ロッテフード、ロッテショッピング)をそれぞれ事業会社と投資会社に分割する。その上で4つの投資会社を合併により1社にまとめ、グループのHDにする。

グループを率いる辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長は、HDの株式を20~30%保有する筆頭株主になるとみられ、HDは4つの事業会社の株式を各20%以上持つ形にする。4社が8月下旬に株主総会を開いて、HD制への移行を決議する。実際の移行は10月を見込む。HDの株式も上場させる方針だ。

韓国の大手財閥の経営支配は、グループ会社が少数の持ち株を相互に持ち合う「循環出資」が多い。ロッテも同様でロッテ製菓やロッテフードに対する辛会長の直接の持ち株比率は数%にすぎないが、それでもグループ全体を統率している。

財閥の創業家にとっては、少ない資金でグループ各社を支配でき、相続時の税負担も少なくて済むメリットがあった。

この仕組みに対し、韓国では「創業家というだけで資格無く経営を支配している」という批判が根強く、外国人投資家も複雑で外部に分かりにくいと問題視してきた。

ロッテは26日、「経営の透明化を推進し、循環出資の問題を解消する」とコメント。HD制に移行すると、現在67件あるグループの循環出資の数が18件まで減少するという。最高経営責任者(CEO)であり、筆頭株主であるという辛会長の立場を「見える化」することで財閥の創業家批判などをかわす狙いがある。

ただ、26日の発表では、韓国における中核会社のホテルロッテがHD制移行の対象から外れた。市場関係者の間では「ロッテがHD化する場合、ホテルロッテが中心になる」(証券アナリスト)との声もあった。ホテルロッテがHDに加わらないことで、循環出資の全面的な解消が先送りになるなど課題が残った。

関係者の話を総合すると、ロッテはスピードを優先したもよう。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の収賄事件などに起因する5月9日の韓国大統領選では、有力候補がこぞって「財閥改革」を訴えている。次の大統領が決まる前に改革に取り組む姿勢をアピールし、世論の印象を良くしたいとの思惑が透けてみえる。

辛会長は朴前大統領に賄賂を贈った疑いと、背任・横領などの疑いで検察から在宅起訴された。公判準備に時間をとられて経営に集中しづらい状況にあるほか、兄で同じく検察から在宅起訴された辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)氏との経営権を巡る争いも続いている。HD制移行には辛会長による支配を明確にする狙いもあるようだ。

ホテルロッテは東主氏が支配する企業が大株主である日本側のロッテホールディングスから出資を受けるほか、将来の株式公開の準備など手間のかかる案件を抱えている。関係者は「将来はホテルロッテのHDへの合流も当然検討する」としているが、中核であるはずの同社を避けた形のHD制移行の決断は、はからずもグループを取り巻く難しい環境を浮き彫りにしたともいえそうだ。

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