AI無人工場の足音 独で産業見本市開幕

2017/4/24 23:33
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 【ハノーバー=吉野次郎、深尾幸生】世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ」が24日、独北部のハノーバーで開幕した。今年は人工知能(AI)関連の新技術が目立つ。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の技術を使って収集したデータをAIで分析し、故障の予測や生産の最適化に役立てる。AIが運営する無人工場の姿が見えてきた。

 「ドイツや日本のような先進国で人手不足解消に役立つ」。人とロボットが協調して働ける生産ラインを紹介した自動車部品世界最大手の独ボッシュ。IoT部門を率いるシュテファン・アスマン氏はこう強調した。

 ロボットにはAIを搭載しており、画像認識で部品表面の傷などを自動で検知する。どの程度の傷なら許されるかを事前に教えれば、ロボット自身が学び精度を高める。作業者は単調かつ細かい作業をしなくてもよく、不良品の見逃しも減らせる。

 日本勢では日立製作所が工場の生産性向上や、不良率の低減方法を提案するAIを展示した。

 生産設備のセンサーで計測した温度や圧力などのデータをクラウド上のAIで分析し、機器の設定変更を提案する。今後1~2年以内に設定の変更までAIに任せたり、将来の故障を予測したりするAIの実用化をめざす。

 故障の予測や人間と共同作業するロボットの開発にとどまらず、長期的には工場全体をAIが管理する研究開発が進んでいる。無人工場という最終形に向けて、産業機器メーカーのAI研究費は膨らみ続けている。費用を少しでも抑えるために、この1年間はAI研究で先行するIT(情報技術)企業との提携が相次いだ。

 台風の目は米IBMだ。AI関連に年間数千億円という桁違いの費用を投じ、進化する技術に産業機器メーカーが吸い寄せられている。

 ドイツ勢ではシーメンスやボッシュが相次ぎ提携。3月には三菱電機など日本メーカーが日本IBMと手を組んだ。ハノーバーメッセでもIBMが産業用に開発したAIコンピューター「ワトソンIoT」に注目が集まった。

 今回の展示会では中国企業が積極的に参加している。今年の出展企業6500社のうち、中国企業は1300社とドイツに次ぐ規模だ。

 中国の情報システム会社、北京敬科機器人(北京、JKテック)は工場で人間と一緒に働く「協働ロボット」を披露した。同社担当者は、「年内に実用化する」と意気込む。

 協働ロボには人間とぶつかって危害を加えないよう、周囲の状況を把握して稼働するといった高度な安全対策が求められる。カワダロボティクス、米リシンク・ロボティクス、独ボッシュなど日米欧のメーカーが先行する協働ロボの分野で、低コストを武器に中国勢が追い上げている。

 実用化への足音が高まるAIを活用した無人工場。世界各地で開発競争が一段と激しくなりそうだ。

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