2019年2月18日(月)

ニコン、再びASML提訴 「半導体装置で特許侵害」

2017/4/25 1:36
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ニコンは24日、半導体露光装置の特許を巡って、オランダのASMLなどに対し特許侵害の訴訟を起こしたと発表した。日本など3カ国で提起し、装置の販売差し止めと損害賠償を請求している。ASMLは半導体露光装置で8割以上のシェアを持つ世界最大手。ニコンは2001年にもASMLを特許侵害で訴え04年に和解で合意したが、再び法廷で争うこととなる。

微細な回路を製造できる「ArF液浸露光装置」の技術に関して、オランダのハーグ地方裁判所、ドイツのマンハイム地方裁判所、東京地方裁判所に特許侵害の訴訟を提起した。

今回の訴訟ではASMLと、同社に光学部品を納める独カールツァイスSMTに対し訴訟を提起した。損害賠償額は暫定的な額としてドイツで1千万ユーロ(約12億円)、日本では一部として1億円を請求。オランダでは差し止め判決を無視して侵害を継続した場合の罰金として、1日500万ユーロ(約6億円)などの支払いを求めている。

ニコンは01年にもASMLを特許侵害で提訴した。裁判は04年に和解で決着し、ニコンが約160億円の和解金を受け取った経緯がある。

今回、ニコンは「ASMLらが当社の技術を無断で使い続けていると確信し、訴訟手続きを始めた」とした。ASML側は「ニコンの主張には根拠がなく断固反論する。こうした訴訟は半導体メーカーに利益をもたらす技術革新を阻害する」とコメントした。

ニコンは1990年代、半導体露光装置で高いシェアを握ったが、00年以降にASMLが台頭。生産性の高い製造装置を投入し、韓国や中国などの半導体メーカーから受注を獲得した。

05年前後にシェアが逆転した。足元の金額シェアはASMLが8割、ニコンが1割、キヤノンが1割弱だ。JPモルガン証券の森山久史シニアアナリストは「技術はニコンも持っていたが、製品化のスピードが遅れた」と指摘する。

半導体装置とデジタルカメラ事業で苦戦するニコンは昨年11月、構造改革プランを公表。露光装置に関しては、最先端装置の開発から撤退する方針だ。今回の訴訟は14年末まで互いに特許訴訟を行わないとする不争期間が終了してから、検討していたという。

ニコンは半導体露光装置のシェアでASMLに大きく差をつけられており、提訴の行方は経営に影響を及ぼしそうだ。

▼半導体露光装置 写真を印画紙に焼き付けるように、電子部品に必要な回路パターンをシリコンなどの半導体の板に焼き付けるための装置。電子回路のパターンは非常に微細になっている。まず回路パターンを大きなガラスの板に描き、これを露光装置で縮小して焼き付ける。この縮小するレンズの精度が重要なため、光学技術を持つニコンやキヤノンなどが得意としてきた。

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