「つま恋」27日再スタート 3年で100億円投資 単価抑え客数増やす

2017/4/25 7:01
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経営不振などを理由にヤマハが2016年末に一般営業を終了したリゾート施設「ヤマハリゾートつま恋」(掛川市)が27日に再スタートを切る。全国でホテルや旅館を運営するホテルマネージメントインターナショナル(HMIホテルグループ、東京・中央)が譲渡を受け「つま恋リゾート彩の郷(さいのさと)」として開業する。HMIの比良竜虎社長は24日会見を開き、再建に向け3年間で100億円を投じる方針を表明した。

「地域の方や世界中の人が家族で楽しめるグリーンリゾートにする」。比良社長は会見で意気込みを語った。30億円をリゾート内の造園に、45億円を流水プールなどがある「ウォーターパーク」に、25億円を宿泊施設の改装に充てる計画だ。

これまでは1000円だった入場料を無料にし、来場客数を現在の年間65万人から100万人に増やす目標。客室単価も平日は1泊2食付きで6600円からと平均で15%ほど下げ、平均稼働率70%の達成を掲げる。単価を抑えて来場客を増やし、温浴施設やプール、スポーツ場などを利用してもらって収益をあげる方針だ。

つま恋はヤマハの事業多角化戦略のなかで1974年に開業し、吉田拓郎やかぐや姫などのコンサートで「フォークの聖地」として名をはせた。2008年には40億円を売り上げたが、同年のリーマン・ショック以降経営が悪化。近年は年数億円の赤字が続いていた。

ヤマハにとっては音楽イベントや合宿などの開催も減り、本業の音楽事業との関連も薄れたため多額な改修費用をかけても効果が見込めず「その歴史的使命を終えた」と経営継続を断念した。

比良社長は海外ではリゾートの開発には数十年単位での回収を前提とした大規模な投資が一般的である例を引き合いに出し「日本の観光の魅力を引き出すには思い切った投資が必要」と、さらなる施設整備を進める考えも示した。

「従来のように音楽とスポーツだけで採算をとるのは難しい」(比良社長)。富士山などの観光資源やお茶やメロンといった特産品を施設内でアピール。静岡空港(牧之原市)などのインフラを生かし、海外の学校と連携して学生を迎えるなど海外に向けた発信も強化していく方針だ。

140万平方メートルの敷地を抱えるつま恋の年間固定資産税は1億1800万円。掛川市には観光施策での支援や税制面の優遇なども求めている。24日の除幕式に出席した松井三郎掛川市長は記者団の取材に「協力できるところはしていきたい」と話した。

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